← 最新記事一覧

フロム・ソフトウェア宮崎英高氏が『The Duskbloods』の着想源と任天堂との協力体制を語る

2026年08月20日 | #ゲーム | IGN

フロム・ソフトウェア宮崎英高氏が『The Duskbloods』の着想源と任天堂との協力体制を語る

フロム・ソフトウェアの宮崎英高氏が、Nintendo Switch 2向け新作『The Duskbloods』の着想源や任天堂との協力体制、今後の展望について語りました。本作はPvPvE(プレイヤー対プレイヤー対エネミー)のマルチプレイヤーゲームで、同社がこれまで手掛けてきたシングルプレイヤー作品とは異なるアプローチが取られています。

『The Duskbloods』の着想源とマルチプレイヤーへの挑戦

宮崎氏によると、『The Duskbloods』のアイデアは、過去作の『Demon's Souls』やダークソウルシリーズで実装された「誓約」や「侵入」といったユニークなオンライン要素から派生したものとのこと。シングルプレイヤーゲームには合わないものの、試してみたいと考えていたアイデアが多数蓄積されており、それらをマルチプレイヤーという文脈で活かす場所として本作が生まれたと説明しています。

また、ボードゲームからの影響も大きく、「Virtueシステム」はボードゲームにおける勝利点のようなもので、直接的なPvPではない要素として取り入れられています。さらに、「Sigilシステム」はテーブルトークRPGの要素に似ており、ダイスロールでキャラクターの特性を決定するだけでなく、プレイヤー間の関係性など、より広範な要素をゲームプレイで制御したいという考えから生まれたと語りました。

任天堂とのパートナーシップ

本作がNintendo Switch 2専用タイトルとなった経緯について、宮崎氏は任天堂にアイデアを提案した際、彼らが非常に熱心で前向きな姿勢を示したことが魅力的だったと述べています。ビジネス面を考慮する以前に、その姿勢がプロジェクトを進める上での大きな安心材料になったとのことです。

任天堂との協力関係は、複雑なシステムを持つ本作のバランス調整や、プレイヤーがゲームの仕組みを理解するためのチュートリアル作成において特に重要だと宮崎氏は強調しています。フロム・ソフトウェアはこれまで、プレイヤーをゲームの世界に放り込み、自力で理解させるスタイルが多かったと認めつつ、本作では任天堂の強みを活かして、より分かりやすく情報を伝えることに取り組んでいるとしています。

プレイヤー層への配慮と今後の展望

宮崎氏は、本作のターゲット層を最初から明確に設定しているわけではなく、「自分が作りたいもの、存在してほしいゲーム」という動機が根底にあると語っています。自身があまり激しいアクションゲームやPvPが得意ではないため、そうしたプレイヤーでも楽しめるシステムを考慮しているとのことです。

PvPが苦手なプレイヤー向けには、キャラクターカスタマイズによって、コンピューター制御の仲間「Kin」を強化し、プレイヤーが後方支援に回るプレイスタイルをサポートする要素を計画していると説明しました。また、たとえ勝利できなくても、最終ラウンドに進むこと自体が素晴らしい体験であり、ストーリーのカットシーンや情報伝達を通じて、プレイヤーの達成感を高める工夫を凝らしているとしています。

発売後のサポートについては、バグ修正やバランス調整に最大限取り組むとしつつ、コンテンツロードマップについては現時点では言及できないとしています。プレイヤーからのフィードバックは積極的に取り入れ、特に「Sigilシステム」やランダム要素のバランス調整に注目しているとのことです。

熟練プレイヤーと新規プレイヤー間のスキルギャップについては、マッチメイキングシステムでランク分けを行い、同程度のスキルを持つプレイヤー同士がマッチングするように計画していると語りました。また、ストーリーコンテンツやキャラクターカスタマイズなど、戦闘以外の要素でもゲームを楽しめるようにすることで、新規プレイヤーが参入しやすい環境を整える考えです。将来的には、ベテランプレイヤーと新規プレイヤーが協力し合えるような「Allianceシステム」の導入も検討していると明かしました。

ストーリーテリングに関しては、ハブエリア「The House of Night」でのNPCとの会話やカットシーンに加え、キャラクターカスタマイズでアンロックされる能力やバックストーリーを通じて語られると説明しています。さらに、「Bloodlinesシステム」というカスタマイズシステムを通じて、マルチプレイヤーマッチ中にキャラクター間の関係性が明らかになったり、予期せぬ会話が発生したりするなど、オンラインプレイの中で物語が進行する仕組みを導入しているとのことです。

宮崎氏は、フロム・ソフトウェアの根底にあるのは「自分たちが遊びたいゲームを作る」というモチベーションであり、本作のようなマルチプレイヤーゲームの開発は、シングルプレイヤーゲームへの新たな意欲にも繋がると語っています。業界のトレンドに流されることなく、自身のビジョンを追求する姿勢を強調しつつ、オンラインゲームの未来については非常に楽観的であるとの見解を示しました。