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『Guild Wars 3』は30分でも遊べる新時代のMMOを目指す

2026年09月03日 | #発売情報 | Polygon

『Guild Wars 3』は30分でも遊べる新時代のMMOを目指す

MMOは「遊ぶ前の準備に時間がかかりすぎる」「第二の仕事のようだ」という問題を抱えている――ArenaNetは、そんなジャンルの停滞を正面から見直す新作として『Guild Wars 3』を開発しています。本作は短時間でもキャラクターを成長させられる設計と、勢いを利用したアクション性の高い戦闘を重視し、2000年代から続くMMOの定型を大きく変えようとしています。PCとPS5向けに開発中で、ベータテストは2027年秋に予定されています。

「第二の仕事」になったMMOを見直す

ArenaNetのスタジオディレクターであるColin Johanson氏は、近年のMMOについて、過去10年間に新作がほとんど登場せず、多くのプレイヤーが10~20年前から続く作品を遊び続けていると指摘しています。例として挙げられているのは、2004年のWorld of Warcraft、2011年のStar Wars: The Old Republic、2012年のGuild Wars 2、2013年のFinal Fantasy 14、2014年のThe Elder Scrolls Onlineです。新しいMMOを求める声は多いものの、開発中止やサービス終了に至った作品も少なく、ジャンル全体が前進できていないという見方です。

Johanson氏が特に問題視しているのは、プレイ中の体験そのものが長年変わっていないことです。多くのMMOでは、アクションバーを中心にスキルを順番に使う、やや距離を置いた操作感のRPGシステムが続いています。氏は、移動や攻撃の手触り、短い時間の中で得られる報酬感を刷新する必要があるとしています。

もう1つの課題は、ゲームを始めるまでに必要な準備です。インベントリの整理、クエストの確認、キャラクタービルドの調整、フレンドとの予定合わせなどに時間を取られ、まとまった数時間がなければ遊びにくいという問題があります。Johanson氏はMMOを「第二の仕事」と表現し、「2時間の空きがなければ遊べない」構造を変えることが重要だと説明しています。

本作では、プレイヤーが30分程度の昼休みでもキャラクターを成長させ、意味のある活動を終えられることが目標です。MMOとしての奥深さを残しながら、楽しみ始めるまでの準備時間を短くし、日常の予定や他のゲームと両立しやすい作品を目指しています。

走る、滑空する動きが戦闘につながる

本作はArenaNetが「アクションアドベンチャーMMO」と呼ぶタイトルで、Unreal Engine 5を採用しています。シングルプレイ作品のThe Legend of Zelda: Breath of the WildやGod of Warからも影響を受けており、従来のMMOに多かった限定的な移動とは異なる、身体性のあるゲームプレイを打ち出しています。舞台は最初のGuild Warsから1000年前の時代で、神々の起源を描く物語になるとのことです。新規プレイヤーにとっても入りやすい設定として位置づけられています。

移動では、ゼルダ風のクライミングやパラグライダー、段差を乗り越えるマントリング、壁走りといった要素が登場します。重要なのは、これらが単なる移動手段ではなく、戦闘の威力にも影響する点です。キャラクターが走ったり滑空したりして勢いを蓄え、そのまま空中から攻撃を繰り出すことで、通常より強力な技につなげられます。

デモでは、ウォリアーの地面叩き攻撃を例に、走行と滑空で速度を高めてから空中で発動すれば、攻撃の効果が増す仕組みが示されました。操作はゲームパッドを前提に設計されており、サーバーやインターネット回線の制約が大きかった2000年代の、区切られたデジタル的なMMO戦闘から離れようとしています。

環境の利用も戦闘の重要な要素です。敵を地形に叩きつけて気絶させたり、崖から蹴り落としたりできるため、単純にスキルを回すだけでなく、敵と自分の位置関係を判断する必要があります。敵側も環境に応じて移動や戦闘の能力を変えるため、同じ相手でも戦う場所によって展開が変わります。

クラス連携と段階的に変化する状態異常

マルチプレイでは、異なるクラスのスキルを組み合わせることが想定されています。ウォリアーは盾を使って味方を空中へ打ち上げ、勢いや視界を確保できます。一方、レンジャーはPolar Vortexを作り、その範囲に入ったプレイヤーのスキルへ氷属性のダメージを加えられます。個々のクラスが単独で強いだけでなく、スキル同士の組み合わせを見つけることが協力プレイの軸になります。

状態異常も、従来の「付いているか、付いていないか」だけの処理から、複数の段階を持つ仕組みに変えられています。たとえば冷気の影響を受けた敵は、まず動きが少し鈍くなり、氷属性の攻撃を受けるたびにさらに減速します。最終的には氷の塊に閉じ込められ、その状態で大きなダメージを受けると氷が爆発し、周囲の敵にもダメージを与えます。

この設計によって、状態異常は一度付与して終わる補助効果ではなく、戦闘中に段階を進めていく攻撃手段になります。どの攻撃を重ねるか、敵をどこへ誘導するか、爆発をほかの敵へ当てられるかによって、同じスキルでも価値が変わる構成です。

ArenaNetは、MMOにありがちな情報量の多いUIを減らし、戦場の動きやアニメーションから状況を把握できるようにする方針です。画面上の数値やアイコンを常に確認するのではなく、敵の状態や攻撃の結果を視覚的に読み取れる戦闘を目指しています。

ビルドのカスタマイズはシリーズの伝統的な要素として残されます。詳細はまだ公開されていませんが、現時点では多くの場面でスキルやタレントを自由に入れ替え、戦う敵に合わせて構成を調整できる設計が検討されています。固定されたビルドを長期間使い続けるのではなく、状況に応じた変更を楽しめる方向です。

大規模イベントより「画面内の1人」を重視

本作の同時参加人数は、Guild Wars 2のような数百人規模のワールドイベントよりも小さくなる見込みです。ArenaNetは、画面にいる各プレイヤーの行動が意味を持つ状態を目指しており、戦闘時の人数は最大20人ほどが適切だと考えています。街では、これより多くのプレイヤーを見かける可能性があります。

サーバー構成も従来型のMMOとは異なります。オンライン中のプレイヤーに応じてマップのインスタンスを動的に生成・縮小し、フレンド、ギルドメンバー、さらにフレンドのフレンドを優先して同じゲームへ集める仕組みです。多数のマップが状況に合わせて絶えず立ち上がったり閉じたりする構造になると説明されています。

この仕組みは、ロード画面をなくすという方針によってさらに複雑になります。それでもArenaNetは、プレイヤーが誰とでも自然に一緒に遊べる、シームレスなマルチプレイを目標にしています。大人数を集めることより、知り合いと合流しやすく、戦闘中の協力が見えやすいことを優先した設計です。

原文筆者が確認したプレアルファ版は、最先端の映像表現というより、現代的なファンタジーアクションRPGに近い印象だったとしています。シリーズらしい鮮明でカラフルなアートスタイルを保ちつつ、モデルの立体感とアニメーションの滑らかさは、従来のMMOから明確に進歩しているとのことです。

他のゲームに戻っても成立するMMOへ

Johanson氏は、MMOとプレイヤーの関係そのものも見直したいとしています。サブスクリプション型を含む多くのMMOは、長時間プレイを促し、毎日ログインしなければ周囲に置いていかれるような設計になりがちです。氏は、本作ではプレイヤーがいったん離れて別のゲームを遊び、次の拡張コンテンツが登場したときに戻ってくることも、健全な遊び方として認めたいと説明しています。

この考え方は、より広い層を取り込むだけでなく、長年MMOを遊び続けて疲れたプレイヤーや、現実の予定を優先せざるを得ないプレイヤーへ向けたものです。常に24時間ゲーム内にいなければ最新状態を維持できない仕組みを避け、限られた時間でも進行できることを重視します。

ArenaNetは、既存作を終了させてプレイヤーを続編へ移行させるのではなく、Guild Wars、Guild Wars 2、Guild Wars Reforgedの3作品を並行して運営したい考えです。昨年には初代作のリマスター版をリリースしており、作品ごとに異なる遊び方を残す方針が示されています。

長く定着したWorld of WarcraftやFinal Fantasy 14の牙城を、この方法で崩せるかはまだ分かりません。しかし本作は、プレイヤーをゲームへ縛りつけることで成り立つMMOではなく、現実のスケジュールや他の作品との共存を前提にした新しい形を提示しようとしています。ArenaNetは今後、本作がMMOの古い慣習へどのように挑むのか、さらに詳細を明らかにする予定です。