← 最新記事一覧

『Mass Effect』次回作、初代開発者は開発チームへの介入を避けるよう提言

2026年09月04日 | #その他 | VGC

『Mass Effect』次回作、初代開発者は開発チームへの介入を避けるよう提言

『Mass Effect』次回作について、初期シリーズに携わった元BioWare開発者Armando Troisi氏が、作品を成功させる鍵は開発者たちに十分な裁量を与えることだと語りました。オリジナル版の主要スタッフが現在もBioWareに在籍していることから、外部や企業側が過度に方針へ介入しなければ、シリーズの強みを生かした作品になると期待を示しています。

初期シリーズの主要スタッフが現在も開発に参加

Troisi氏は海外メディアFRVRのインタビューで、次回作を担当するBioWareスタッフへの助言を求められました。同氏は初代Mass Effectでシネマティックデザイナーを務め、Mass Effect 2ではリード・シネマティックデザイナーを担当した人物です。その後はHalo 4でナラティブディレクターも務めています。

しかし、今回のチームにはリードデザイナーのPreston Watamaniuk氏、アートディレクターのDerek Watts氏、リード・シネマティックアニメーターのParrish Ley氏など、オリジナル三部作に関わったスタッフが残っているため、自分から伝えられることはほとんどないと説明しました。Troisi氏は3人をシリーズの“OG”、つまり初期から作品を作ってきた中心人物と表現し、「彼らは何をすべきかを分かっている」としています。

Troisi氏はMass Effect 2を離れる際、スタッフからカードを贈られ、Watamaniuk氏から「情熱と技術こそが卓越性につながる」という趣旨の言葉を受け取ったことにも触れました。現在のチームにはその情熱と技術の両方があるため、改めて細かな指示を出す必要はないとの見方です。

成否を分けるのは開発者への信頼

一方で、規模の大きなゲームには多くの事情が絡み、開発者だけでは決められないこともあるとTroisi氏は認めています。そのうえで、次回作がどのような作品になるかは、オリジナル版の作り手を含むチームが、自分たちの目指すゲームを作るための自由を与えられるかどうかにかかっていると指摘しました。

同氏は「人々が邪魔をせず、ゲームクリエイターにやりたいことをさせれば、どんな魔法を生み出すか分からない」と話し、開発チームを信頼してほしいと訴えています。また、挑戦するからには世界を変えるつもりで取り組んでほしいとも述べ、チームがそれを実現できると応援の意を示しました。

この発言は、BioWareのDragon Age: The Veilguardをめぐる報道を意識したものとみられます。報道では、同作が一時期ライブサービスゲームとして開発するよう求められ、その後になって方針が変更されたため、開発に苦戦したと伝えられていました。Troisi氏は企業や利害関係者の判断がゲーム制作に影響する現状を踏まえつつ、開発者の裁量を奪うことが作品の方向性を損なう可能性を示しています。

BioWare本来の強みを生かせるか

Troisi氏によれば、かつてのBioWareには、シネマティックなRPGを作り続けるための明確な方針がありました。シリーズで確立した“BioWareの公式”を土台に改良を重ね、物語性の高い大作RPGを送り出すことが、チームに求められていた役割だったといいます。

ただしBioWareはその後、ゲーム業界でライブサービス型の作品が重視された時期を経験しました。Troisi氏は、その流れが現在も完全に消えたわけではないものの、以前ほど強いものではないと説明しています。企業や出資者など、さまざまな利害に開発者が左右される状況を認めながらも、シングルプレイ、インタラクティブな物語、奥深い戦闘、成長要素を備えた作品に立ち返れば、BioWareに並ぶスタジオはほとんどないとの自負を語りました。

BioWareは昨年11月、次回作が開発中であることをプレイヤーに改めて伝えています。現時点で作品の詳細は明らかになっていませんが、Troisi氏は本作について、チームが自分たちの得意分野を見つめ直し、そこへ戻ることができれば成功するはずだとしています。