『Marvel’s Wolverine』の嗅覚の軌跡は常時表示ではないとInsomniacが説明
『Marvel’s Wolverine』をめぐり、主人公ローガンが追跡時に残す“嗅覚の軌跡”をゲーム中から完全に消せるよう求める声が出ています。キャラクターの背後に漂う見た目から、一部では「屁ガス」とも呼ばれている要素ですが、Insomniac Gamesによれば常に表示されるわけではありません。アクセシビリティ設定で無効化できるという誤解も広がっていました。
嗅覚の軌跡が表示される条件
本作の嗅覚の軌跡は、ローガンが特定の匂いや音を追跡している場面だけに現れます。Insomniac Gamesのコミュニティおよびマーケティング担当ディレクター、James Stevenson氏は、これはローガンが持つミュータントとしての超感覚と、優れた追跡能力を表現するものだと説明しています。
対象になるのは、人の匂い、ウイスキー、その他の手がかりとなる匂いなどです。ストーリーやミッション上の追跡場面に加え、収集アイテムの近くでローガンが匂いや音を捉えた場合にも表示されます。Stevenson氏は「嗅覚の軌跡は常に表示されているわけではありません。特定の匂いや音を追跡しているときだけ現れます」と説明したとしています。
アクセシビリティ設定をめぐる誤解
本作のアクセシビリティ機能には「Chase Assist」が用意されています。これは追跡シーンで、追跡対象の移動速度を下げる設定を切り替える機能です。しかし、嗅覚の軌跡そのものを消す機能ではありません。ほかのナビゲーション関連の設定も、この軌跡を非表示にはしないとのことです。
この仕様が正しく伝わらなかったことで、プレイヤーの間では嗅覚の軌跡がゲーム中ずっと表示されると思われ、Insomniac Gamesに完全なオフ機能を追加してほしいという要望につながりました。一方で、設定から消せないこと自体への批判も続いています。追跡や探索で進むべき方向を強く示すため、プレイヤーが自力で手がかりを見つけたり、追跡ルートを判断したりする余地を奪っているという指摘です。過去にファイナルファンタジーシリーズなどで議論された、進行方向を示す黄色いペイントとの類似性を挙げる意見も出ています。
ローガンの能力とゲームプレイの折り合い
この議論の背景には、原作設定に忠実な能力をゲームの仕組みに落とし込む難しさがあります。ローガンが優れた嗅覚を持つなら、ステージ内を長時間歩き回って標的や次の酒を探す必要はないはずです。しかし、その能力をそのまま再現すれば、探索や追跡のゲームプレイが単調になりかねません。反対に、能力を使わなければ不自然になり、使えば手がかりを探す面白さが薄れるという問題が生じます。
そこで、DualSenseのR3ボタンを押したときだけ嗅覚を発動させる方式を求める提案もありました。プレイヤーが必要なときだけ能力を使えるようにすれば、軌跡を避けたい人は自力で探索できるためです。ただし、Stevenson氏の説明からは、Insomniac Gamesがローガンの能力を任意のボタンでオン・オフする仕組みは適切ではないと考えていることがうかがえます。
収集アイテムについても、軌跡が最初から目的地まで導くわけではありません。Stevenson氏によれば、まずプレイヤー自身がアイテムに十分近づき、ローガンがその匂いや音を捉えられる距離まで探索する必要があります。そのため、収集物探しには一定の探索要素が残されているとしています。
なお、IGNによる本作のレビュー評価は6/10でした。同媒体は、戦闘は洗練され満足感があるものの、終盤を迎える前に単調さが目立ち、キャラクター描写の良さをもってしても「まあまあの作品」という印象を超えきれないと評しています。嗅覚の軌跡をめぐる議論は、単なる表示設定の問題にとどまらず、ローガンの能力をどこまでプレイヤーに委ねるべきかという、本作のゲームデザインそのものにも関わっています。