『Destiny』元幹部が語るThe Taken Kingへの誇りと「もっと良くできる」という開発時の合言葉
2026年09月16日 | #その他 | GamesRadar+
The Taken Kingの発売から11年を迎え、元Bungieスタジオ副社長のMark Noseworthy氏が、初期の本作を象徴する開発者の思いを振り返りました。氏が語ったのは、ゲームとしての魅力を認めながらも、まだ大きく改善できるというジレンマです。大型拡張によって本作が大きく転換した背景が、改めて注目されています。
The Taken KingはNoseworthy氏にとって特別な拡張
Noseworthy氏はXへの投稿で、これまで携わった本作の要素のなかでもThe Taken Kingがプレイヤーとして最も好きで、開発者として最も誇りに思うものだと説明しました。初代作の開発当時、チームは本作が偉大な作品にあと一歩まで近づいていると感じていたものの、いくつかの要素と、それらを組み合わせる方法が足りないと考えていたとのことです。
その状況を表す開発チームの合言葉として、同氏は「Destinyをプレイするのは大好きだが、もっと良いゲームではないことが嫌だ」という趣旨の言葉を紹介しました。The Taken Kingは、その不足していた要素を補うための拡張として制作されたことになります。Noseworthy氏は2024年、複数の幹部スタッフとともにBungieを離れており、今回の投稿は同社で過ごした時期を振り返る発言でもあります。
混乱していた初期シリーズを立て直した大型拡張
本作の初期は、プレイヤーだけでなくBungie自身も、ゲームが何を目指す作品なのかを明確につかめていないように見える時期だったと原文筆者は説明しています。最初のレイドであるVault of Glassは作品の方向性を形にし、低迷していた本作を持ち直すきっかけになりました。しかし、本格的にゲームを押し上げたのはThe Taken Kingだったとしています。
The Taken Kingでは、新たなコンテンツに加えて、ストーリーが大幅に強化され、ビルド構築の選択肢や進行システム、エンドゲームの遊びも改善されました。単に遊べる要素を増やしただけではなく、作品全体が本来どのような姿を目指すべきかを示した拡張だったという位置づけです。現在もシリーズ屈指の拡張として記憶されており、最高傑作と見るプレイヤーもいるとされています。
拡張が問題を修正する役割を担ってきた経緯
原文筆者は、The Taken King以降の本作が「もうすぐ大きく変わる」と感じさせながら、期待されていた水準を実際に届けたのは優れた拡張の登場時だったと論じています。新しい体験を追加するだけでなく、それ以前に生じたシステム上の問題を修正することが、拡張に期待される役割になっていたという見方です。
その例として挙げられているのが、Destiny 2のForsakenです。発売後に多くの問題を抱えた状況で、ForsakenはThe Taken Kingと非常によく似た形で本作を立て直しました。原文筆者は拡張を評価する際、「これは本作を修正しているのか、それとも本作を祝福し、さらに広げているのか」と考えるようになったと説明しています。現在すでに素晴らしい状態なのか、将来そうなる可能性を示しているだけなのかが、判断の基準になったとのことです。
開発終了で失われた「次の転換点」
BungieがMarathonの立て直しを優先し、Destiny 2の積極的な開発を終えた後、最後のアップデートは本作を過去でもっとも良い状態に近づけたと原文筆者は評価しています。FOMO、つまり期間限定要素を逃す不安が取り除かれ、報酬システムが更新され、多くのイベントも利用できる状態になったためです。
一方で、開発が終わったことで、本作が新たな方向を追い続ける段階も終わりました。原文筆者は、これまでの本作が何度も転換点の直前まで到達し、最高の拡張によってのみその可能性を実現してきたと振り返っています。そして現在は、次の大型拡張によって状況が変わる未来そのものがなくなったとして、「もう転換点を迎えることはない」と結論づけています。