『Resident Evil』映画版、ゲームを遊ぶ感覚を恐怖と笑いで描く
2026年09月19日 | #レビュー | Game Informer
単なるゲーム原作映画ではなく、ゲームをプレイしているときの感情そのものを映像化した点が、Zach Cregger監督の『Resident Evil』映画版で注目されるポイントです。シリーズの設定やキャラクターを前面に押し出すのではなく、恐怖におびえ、弾薬を無駄にし、失敗しながらも活路を見つけていくプレイヤーの体験を、主人公Bryanの視点から描いています。原文筆者は、これまでのゲーム原作映画にはなかった形で、本作がシリーズの本質を捉えたと評価しています。
シリーズ要素を絞り、プレイ感覚を再現
Cregger監督は映画を宣伝する複数のインタビューで、Resident Evilシリーズへの直接的な言及は少ないと説明していました。実際に物語の舞台にはRaccoon Cityが登場し、Umbrella Corporationにも触れられますが、明確なシリーズ要素として挙げられるのはタイプライターや、主人公が使うHeavy Fieldブランドのショットガン用弾薬などに限られます。
一方で、恐怖と緊張が極限まで高まる瞬間、危機を切り抜けて息をつける場面、判断を誤って失敗する感覚、仕掛けの意味に気づいたときの達成感など、ゲームプレイに伴う感情は濃密に盛り込まれています。原文筆者は、作品名や設定を忠実に並べるよりも、プレイヤーが画面の前で何を感じるのかを再現している点に、本作の独自性があるとしています。
普通の青年がプレイヤーの代役に
主人公Bryanは、銃の扱い方も知らない普通の青年です。恋人との間にある感情的な問題を抱えながら、少しでも金を稼ごうと配達の仕事に取り組んでいたところ、人生で最悪の夜に巻き込まれていきます。彼を危機から救い出してくれるLeonのような存在はおらず、Bryan自身が恐怖の只中で行動しなければなりません。
怪物や生物学的な異形を目の当たりにして目を見開き、危険から全速力で逃げながら叫び、物陰からの襲撃には甲高い悲鳴を上げます。部屋を捜索して役に立つ物を探し、開けるべきではないと分かっている不気味な扉を、それでも先へ進むために開ける場面も描かれます。弾薬を何度も浪費し、必要不可欠なアイテムを誤って処分してしまうなど、プレイヤーなら経験しうる失敗もBryanの行動に反映されています。
恐怖だけでなく、失敗を笑える作品に
Bryanの災難は約90分にわたって展開され、緊張感のある恐怖、息をつける解放感、先を急がされるような疾走感を次々に切り替えていきます。それでいて、彼の判断ミスや過剰なリアクションはしばしば笑いにつながります。Austin Abramsが演じるBryanとCregger監督は、シリーズに欠かせない「深刻に受け止めすぎない」感覚を押さえていると、原文筆者は述べています。
原文筆者によれば、Resident Evilの世界は本来、恐怖と不条理さが同居する作品です。登場人物たちは大仰でばかばかしい状況に巻き込まれ、プレイヤーはその様子に悲鳴を上げながら、ときには笑って楽しみます。本作ではBryanがそのプレイヤーの代役となり、怪物におびえ、間違いを重ね、偶然のひらめきで先へ進んでいく構図が作られています。
原文筆者が過去の好例を上回ると評価
原文筆者は、すべてのゲーム原作映画が同じ方向を目指す必要はないとしつつも、好きな作品の要素が大規模な映画として描かれることには別の喜びがあると説明しています。そのうえで、ゲームを遊んだときの感情をここまで巧みに映画へ移した点を高く評価し、これまで最も好きだったゲーム原作映画、2021年のJosh Ruben監督によるWerewolves Withinを本作が上回ったとしています。