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『Star Wars: Galactic Racer』の車両強化は付箋とサイコロの試作から生まれた

2026年10月08日 | #ゲーム紹介 | Eurogamer

『Star Wars: Galactic Racer』の車両強化は付箋とサイコロの試作から生まれた

『Star Wars: Galactic Racer』は遊んでいて非常に楽しく、Burnoutファンには古巣に戻ったような感覚を与える作品です。Burnoutを手がけたCriterionの流れをくむFuse Gamesが開発しています。開発陣は、操作の感触や感情を重視するゲーム設計、車両の強化要素を試したボードゲームの試作について語りました。

操作の感触が没入感を生む

Fuse Gamesのマット・ウェブスターCEOは、「ゲームフィール」、つまり操作したときの感触を、ゲーム体験の土台と考えています。ゲームはプレイヤーが操作するメディアだからこそ、操作の質が重要です。ブーストも、ボタンを押して速度が上がるだけではありません。押したときに何が起こるか、その感覚の積み重ねが、プレイヤーを作品世界に引き込みます。

同作では、ガタついた技術を使いこなすというスター・ウォーズらしさも、手触りのある操作に落とし込んでいます。何かを叩いて動かしたり、レバーを操作したり、レース開始時にボタンを組み合わせたりすることで、銀河に触れている感覚を生み出します。ウェブスターは、開発陣もファンとして気づいていた世界の細部を、遊びの中で形にできるのが特権だと話します。

車輪がなくても、物理の感覚を土台に

車輪のない乗り物で路面との一体感をどう作るのか。ウェブスターは、タイヤと路面に縛られないからこそ、上下の動きや機体の傾きを大胆に表現できると説明します。一方で、乗り物の挙動は物理シミュレーションを基礎にしています。架空の浮遊ジェットエンジンを地球上に作ったらどう動くかを考え、誰もが持つ現実世界の物理感覚につなげているのです。参考にしたのは、ポッドレーサーやランドスピーダー、スピーダーバイクなど、スター・ウォーズに登場するさまざまな乗り物です。

強化要素でプレイヤー自身の物語を作る

ローグライト要素や車両のカスタマイズについて、ウェブスターは、開発側が基本となるルールやシステムを丁寧に作り、バランスを整えたうえで、プレイヤーに選択の余地を渡すと説明します。アーケードゲームは奥深さをなくすものではなく、誰もが入りやすい形で奥深さに触れる入口だといいます。

クリエイティブディレクターのキアラン・クリミンズは、車両パーツを「プレイヤーの物語を生み出す仕組み」と表現します。パーツは、積み重ねたり組み合わせたりして遊ぶおもちゃのようなものです。思いがけない組み合わせでも、物理的で納得感のある反応が返ってきて、自分だけの車両になります。スター・ウォーズやレース、物語から引き出した感情を、こうした遊びに変えているため、決められた展開をすべて開発側が用意する必要はないといいます。

パーツや強化要素を考えるときは、まず遊べる形にして、狙った感情が生まれるかを確かめます。車両のパーツや強化要素は、初期のボードゲーム試作にも登場していました。クリミンズによると、強化や成長要素を試すため、付箋や走り書き、サイコロを使ったボードゲームを1日で作ることもあります。システムを試す道具は、感情を最も早く確かめられるものを選ぶそうです。

「何かを感じられないなら、何の意味があるのか」

Lucasfilm Gamesのエグゼクティブプロデューサー、クレイグ・デリックは、プレイ中に得る主体性や瞬間ごとの体験を考えれば、ゲームを感情の状態として語るのは自然だと話します。クリミンズも、「何かを感じられないなら、何の意味があるのでしょう」と述べ、遊びの目的は強い感情を生み出すことだと語りました。

ウェブスターは、ゲームについて語るとき、実際にはゲームがどんな気持ちをもたらしたかを話しているといいます。例として挙げたのは、リチャード・ドナー監督の初代スーパーマン映画です。ドナーは「人が空を飛べると信じられなければ、ほかに何をしても意味がない」と語っていたといいます。

同じように、プレイヤーがスター・ウォーズの銀河にいて、時速600キロでランドスピーダーを操縦していると信じられなければ、物語やパドックでの演出も生きてきません。操作の感触によって世界の真実味を支えることが、ほかの体験を成立させる基盤だと開発陣は考えています。