『Ace Combat 8: Wings of Theve』レビュー、全30ミッションを仲間との物語が支えるシリーズ屈指の傑作です
2026年10月15日 | #レビュー | Game Informer
『Ace Combat 8: Wings of Theve』は、多彩な任務と仲間たちの物語がかみ合った、シリーズ屈指の傑作です。優れた操縦感覚や激しい空中戦に加え、共に戦うパイロットとの関係が戦場での出来事に重みを与えています。何度でも遊び直したくなるキャンペーンこそ、本作を高く評価する最大の理由です。
伝説を引き継ぎ、仲間と戦争を生き抜く物語
2019年にシリーズを再び活気づけた前作の勢いを受け継ぎながら、本作は僚機、広大な作戦空域、記憶に残るライバルといった歴代作品の持ち味も取り込んでいます。
物語は、祖国への侵攻を受けた主人公が、Sotoaの精鋭部隊Shadowとの空戦で撃墜されるところから動き出します。その戦いには、FCUの英雄として語られる「Wings of Theve」も参加していました。しかし、その伝説は実像以上に膨らんだものでした。主人公は戦いを続ける人々の希望をつなぐため、その名を引き継ぎ、新たな「Wings of Theve」となります。
戦争や政治、そしてそれらが世界に及ぼす影響は、シリーズが以前から扱ってきた題材です。本作では僚機のパイロットや空母Enduranceの乗組員に焦点を当てることで、その描写がさらに深まっています。全30ミッションを通じ、乏しい戦力の艦隊に生き残った戦闘員たちが集まり、終戦まで生き延びることを目指します。所属するJoker Squadronや姉妹部隊のQueen Squadron、敵のエース、艦内の乗組員まで、登場人物は多く、それぞれが印象に残ります。
物語の見せ方には気になる部分もあります。場面を進めるためだけに脈絡のないボタン入力を求められる演出は奇妙ですし、かつて「Wings of Theve」を名乗っていたCopeが死後の世界から語りかける声も、序盤は少々くどく感じられます。
それでも、新たに採用された一人称視点と、身近な仲間を中心に据えた構成は効果的です。彼らと時間を過ごし、苦悩を間近で見ているからこそ、上空で命懸けの戦いに身を投じる場面が強く響きます。
多彩な任務と、機体の重さが伝わる操縦感覚
各ミッションは、目標や作業の組み立てが見事です。開発チームが用意した任務の幅広さを考えると、その完成度には感心させられます。
ある任務では広大な砂漠を飛び回り、電力設備や弾薬、航空機を収めた格納庫を破壊して、侵攻軍の戦力を削っていきます。別の任務ではレーダーを避けるため、島へ向けて低空を高速で飛行します。さらに数ミッション後には、妨害によって正確な位置をつかめない大型輸送機を、飛行機雲を頼りに追跡することになります。任務ごとに異なる飛び方や判断を求められ、繰り返し遊びたくなる内容です。
機体と兵装の選択肢も豊富で、どの機体も操縦が楽しく仕上がっています。Ace Combat 7と比べると機体の動きには少し重さがありますが、それが心地よく働いています。高G旋回では、音速で飛ぶ巨大な鋼鉄の塊を力ずくで曲げているような手応えがあります。
特殊兵装は同時に2種類を搭載できるようになり、任務に合わせて役割を絞ったり、対応の幅を広げたりできます。出撃前に格納庫で装備を選ぶ楽しみも増しました。原文筆者はF-35Cを優先しがちだったものの、ほかの機体にも十分な魅力を感じています。特にA-10を使う特別な場面は、激しく機首を振り回すミサイル戦が続くなかで、楽しい気分転換になっています。
地上からの砲撃と精鋭部隊が腕を試す
敵の脅威はミサイルだけではありません。Sotoaは陸上戦艦をはじめとする地上艦艇を投入しており、本作の地上戦力はとりわけ厄介です。ヘッドホンからレールガンの警告が聞こえてくる状況にも、慣れていく必要があります。
SotoaのLux Lunaeも、本作を語るうえで欠かせません。味方からは「Shadows」と呼ばれるこの部隊は、洗練された黒い機体や、戦場に現れる際に公開通信で響かせる詠唱、そして空中での機動まで強烈な印象を残します。
彼らとの戦闘は、何度も操縦技術の限界を試してきます。だからこそ、そのエースたちを打ち破るたびに、パイロットとしての上達と達成感を味わえます。
マルチプレイは魅力的ですが、遊びの流れを妨げる要素もあります
マルチプレイには、ハイスコアを追い求めたい人にも、ほかのプレイヤーと空中戦を繰り広げたい人にも向けたモードが用意されています。中心となるのは、4機編成の飛行隊で別の飛行隊と共闘したり、対抗したりしながらスコアを競う遊びです。
最大の見どころは、定期的に全プレイヤーへ向けて発生する緊急出撃です。アーセナルバードなど、シリーズに登場する超兵器に挑む特別任務となっています。今後のサポートによって発展させられる、しっかりした土台があります。
一方で、メニュー操作の多さや、特定の機体強化に必要なものを集めるための反復作業、外見を変えるアイテムへの課金要素は気になります。原文筆者のプレイでも、望んでいた以上の頻度で遊びの流れに水を差していました。
何度でも空へ戻りたくなる完成度です
『Ace Combat 8: Wings of Theve』は、長年このシリーズが支持されてきた理由を鮮やかに示しています。魅力的な登場人物と物語、優れた操縦感覚、爆発が飛び交う空中戦、超音速で飛び込みたくなる戦場が、充実したキャンペーンを支えています。
物語の一部の演出やマルチプレイの手間には不満が残ります。それでも、任務を繰り返し遊びたくなる楽しさは揺らぎません。シリーズが過去の名声にとどまる存在ではないことを証明する、最高峰の1作です。