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『The Blood of Dawnwalker』は30日制限で大規模RPGの遊び方を問い直す

2026年09月01日 | #レビュー | Game Informer

『The Blood of Dawnwalker』は30日制限で大規模RPGの遊び方を問い直す

限られた時間のなかで家族を救い、最終決戦への準備を進めるという設計が、本作の最大の特徴です。30日という期限は常に減り続けるのではなく、プレイヤーの行動によって時間枠を消費する仕組みになっており、膨大なクエストをすべてこなすのではなく、何を選ぶかを迫ります。原文筆者は粗さの残る部分を指摘しながらも、過剰になりがちなオープンワールドRPGに別の可能性を示す作品だと評価しています。

30日間で何を優先するか

本作では、主人公のCoenが吸血鬼の宮廷から家族を救出するため、ゲーム内時間で30日を使って成長や協力者探しを進めます。スキルの習得や強化にはポイントだけでなく時間枠も必要で、地下に埋められた宝を掘り出す程度の行動で1枠、きょうだいと遊んだり行方不明の斥候を探したりする行動では3枠を消費します。昼と夜の両方に行動枠があり、1サイクルの使い方を考えながら進める構造です。

この仕組みは、序盤では選択の重みを効果的に生み出すと原文筆者は述べています。ある任意クエストでは、墓を荒らして銀のネックレスを盗んだ墓荒らしを追跡します。銀は吸血鬼に有効な矢を作るために使われていましたが、原文筆者は盗まれた品を悲しむ母親へ返す時間を失い、後になってもネックレスが所持品に残っていることに気づいたとしています。単純な届け物に見える依頼でも、時間の使い方次第で結末が変わる点が印象に残ったとのことです。

最大の敵である吸血鬼との戦いは、プロローグ直後から挑戦できます。ただし、その時点での撃破は極めて難しく、30日間でCoenを強化し、最終決戦に加わる人物を探すことが前提になります。吸血鬼の宮廷に属する別の3人も追跡でき、味方を増やすことで決戦を有利に進められます。一方、キャラクターから協力を得ると取り返しのつかない段階に入ることがあり、原文筆者は残り13日でその警告を受けたと振り返っています。

ただし、終盤に近づくほど時間制限の緊張感は薄れていったとされています。原文筆者は当初、スキル取得に時間を使うか、ほかの人物を助けるために残すかを慎重に考えていました。しかし、不可逆な段階を示す警告を見た後は、むしろ物語を終わらせるよう促されている感覚になったとのことです。その直後に新たな攻略ルートが3つ開放されたことも、期限への焦りを弱める要因になったとしています。

昼の人間と夜の吸血鬼を使い分ける

Coenは昼は人間、夜は吸血鬼として活動するDawnwalkerです。昼には魔法を使える一方、夜になるとスキル構成が吸血鬼の能力へ置き換わります。クエストや活動のなかには昼夜のどちらかでしか実行できないものがあり、装備にもそれぞれの姿に対応したボーナスが設定されています。プレイヤーは2種類の防具構成を組み合わせ、時間帯に応じて戦い方を変えることになります。

夜に行動するには、動物や人間から血を吸って渇きを満たさなければなりません。失敗すると会話中に飢えへ屈し、重要人物を意図せず殺してしまう可能性があります。制御不能な殺害につながるかもしれないという設定は強い恐怖を生みますが、原文筆者は実際にその事態を経験しなかったとしています。回復アイテムが不足せず、戦闘中にも吸血でき、戦闘外にも対象が十分に存在したためです。

ウィッチャー3との近さと独自性

開発スタジオはCD Projekt Redの元スタッフによって設立されており、原文筆者は本作の随所にThe Witcher 3: Wild Huntの影響が表れていると指摘しています。会話の構造、クエストの雰囲気、独自性を狙った戦闘、マップ上に多数の「?」アイコンが並び、そこへ向かう探索の流れはいずれも比較を避けにくい要素です。Geralt of Riviaの冒険を遊んだ人にとって、Coenの旅は新鮮さよりも既視感が先に立つ場面があるとのことです。

それでも、本作は既存の型をそのまま再現しているわけではありません。昼夜で能力が切り替わる主人公や、行動そのものが時間を進める仕組みは、オープンワールドの定番から外れようとする試みです。原文筆者は、クエストを無制限に積み上げるのではなく、プレイヤーに行動を選ばせる設計に大きな可能性があると見ています。

戦闘と吸血鬼の宮廷が抱える課題

戦闘も方向入力に合わせて攻撃を防ぎ、反撃するシステムによって、序盤には手応えを感じさせます。しかし敵の技のパターンは繰り返しが多く、主要なボス戦を除けば、決められた入力に対応するだけの単調な展開になりやすいと原文筆者は批判しています。本作の目玉である時間、昼夜の切り替え、吸血鬼の力も、個別には魅力があるものの、ひとつの完成された体験として十分に結びついていないとの評価です。

一方で、舞台となる荒々しい世界には強く惹きつけられたとしています。吸血鬼の宮廷は住民を何百人も殺しているだけでなく、信仰そのものを腐敗させています。教会では自分たちを宗教的な象徴として扱わせ、聖水の代わりに血を使った洗礼まで行っている描写が登場します。単なる怪物との戦いではなく、支配によって町の文化や信仰まで変質していく様子が、Coenの物語を支える重要な要素になっています。

原文筆者は、仕組み上の不満を抱えながらも、最後までCoenの物語への関心を失わなかったとしています。最終決戦では、それまでに選んだ行動や進んだルートが結果として現れ、判断の責任と影響を順番に突きつけられます。時間制限そのものへの緊張が終盤に弱まったとしても、限られた時間が冒険の形を決めたことに変わりはありません。すべてのクエストを消化できる余裕をあえて与えないことが、主人公の内にある目的を表へ引き出す力になっていた、というのが原文筆者の結論です。