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『The Blood of Dawnwalker』にステルス要素が不足し吸血鬼らしい潜入が成立しない

2026年09月11日 | #レビュー | GamesRadar+

『The Blood of Dawnwalker』にステルス要素が不足し吸血鬼らしい潜入が成立しない

吸血鬼の力を持つ主人公が、壁を歩き、屋根を飛び移り、瞬間移動までできる。それにもかかわらず、敵拠点へ忍び込むとほぼ必ず正面戦闘になる――『The Blood of Dawnwalker』について、原文筆者は本作最大の弱点をステルスシステムの欠如にあると指摘しています。物語や独自性のある戦闘は高く評価しつつも、主人公の設定とゲームプレイの間に大きなずれが生じているとの見方です。

吸血鬼の能力と正面戦闘がかみ合わない

本作は、『The Witcher 3』の影響を強く感じさせながらも、独自の雰囲気を持つダークファンタジーアクションRPGとして作られているとされています。開発元Rebel Wolvesにとって初の作品ということもあり、限界や粗さは見えるものの、それらは受け入れやすい範囲に収まっているとのことです。

一方で、主人公Coenが持つ能力を考えると、敵に気づかれず行動する仕組みがないことは単なる機能不足では済まされません。Coenは昼と夜で異なる力を使い、夜には影に関わる能力を発揮します。壁を歩いたり、屋根の上を移動したり、敵へ瞬間移動して噛みついたりできるため、プレイヤーは自然に「見つからずに敵を仕留める」遊びを期待します。しかし実際には、敵の一定範囲へ入った瞬間に、MMORPGの敵のような感知範囲が働き、戦闘へ移行します。

原文筆者は、こうした仕組みが開発途中でゲームの一部を切り取ったように感じられるとしています。潜入経路そのものは用意されているのに、発見を避ける手段や、敵を静かに排除するルールが不足しているためです。大胆で遊び心のあるアクションRPGとしての魅力がある一方、ステルス面だけは「驚くほど古く、融通が利かない」と厳しく評されています。

物語が求める慎重さとゲームの仕様のずれ

Coenは、家族を救うため、ヴラヒリ(Vrakhiri)の侵略と支配を内部から崩そうとします。序盤では、敵の急所を突くには目立ちすぎないことが重要だと本人も認識しており、プロローグ後には、まだ力が足りず必要以上の注目を集めるべきではないという事情も示されます。

それでもゲームが進むと、Coenは各地の前哨基地を壊滅させ、ダンジョンを制圧していくことになります。彼の正体は一般人とはかけ離れており、特異な力と、強大なボスであるBrencisさえ受けつけなかった不快な味の「Dawnwalkerの血」を持っています。そのような人物が、敵勢力の領域で騒ぎを起こし続けるにもかかわらず、物語上の潜入者として振る舞い続ける点に、原文筆者は違和感を覚えています。

本作には、オープンワールド作品で見られる悪評システムに近い仕組みがあります。各地域を支配する血に飢えた幹部「boyar」は、プレイヤーが起こした騒乱に反応し、やがて直接対決へ移ります。Coenの知名度が高まるほど、より強い戦士が追跡してきたり、拠点の防備が強化されたり、場所が封鎖されたりします。

しかし、その反応はなお寛容すぎるとされています。プレイヤーの無秩序な行動に敵が適切に対応すれば、物語の説得力を保ちながら難度を動的に上げられます。逆に反応を強くしすぎれば、物語の前提やプレイヤーの自由を損ないます。この問題に簡単な答えはないものの、Coenは普通の戦士ではなく、昼夜を問わず剣を抜いて戦いへ突入する存在です。Svartrauの街を歩くときでさえ、正体を知られることをあまり気にしていないように見えるため、物語が求める慎重な任務と実際のプレイ感覚が噛み合っていないとの指摘です。

ステルスを思わせる要素はあるものの発展しない

戦闘開始時に、ヴラヒリとして敵へ瞬間移動して噛みつく攻撃は用意されています。ただし、それは先制攻撃として使えるだけで、敵を静かに倒したり、兵士の血を周囲に気づかれず吸ったりする仕組みにはつながりません。原文筆者によれば、敵1人から血を吸収しようとしている間に、別の雑兵に殴られて戦闘が始まることが大半です。

後半で習得できる即死効果付きの落下攻撃も、ステルスシステムの可能性を感じさせる要素です。オープンワールド作品のステルスアクションに近い導入としては魅力的ですが、そこから発展する仕組みはありません。未発見の状態から一度攻撃すると、すぐに周囲の敵全体に追い回される展開になります。

しゃがんでキャンプをゆっくり進もうとしても、最終的には近接戦闘へ持ち込まれます。逃げようとした際には、見えない壁に行く手を阻まれることさえあるとのことです。隠れて敵の背後へ回る、孤立した兵士だけを処理する、騒ぎを起こさず拠点を突破するといった選択肢が機能しないため、プレイヤーが吸血鬼らしい狩りを演じる余地は限られています。

続編では吸血鬼らしい遊び方に期待

原文筆者は、Rebel WolvesがCD Projekt Redと多くの共通点を持つことを理解しつつ、本作の半分ほどは『The Witcher 3』とは別の方向へ進むべきだと考えています。Geraltは熟練した怪物狩りでしたが、Coenは異なる種類の殺し屋です。牙と爪を使い、屋根の上を瞬間移動しながら敵へ迫る姿は、DishonoredのCorvoを思わせるとされています。

そのため、剣を使った正面戦闘だけでなく、吸血、暗殺、潜入、追跡回避を組み合わせた遊びが求められます。現時点で作品の基本設計を大きく変えるのは難しいかもしれませんが、原文筆者は続編で、より多彩でステルス性の高い「吸血鬼シミュレーション」が実現することを期待しています。なお、記事では本作のパッチノートにも触れられており、「使うはずではなかった赤いパイプのアセットを削除した」「死亡したNPCが会話できていた問題を修正した」といった内容が紹介されています。