『Phantom Blade Zero』は30種の武器で戦い方が変わる期待のアクションRPG
2026年10月10日 | #ゲーム紹介 | DualShockers
GTA 6に注目が集まるなか、S-GAMEの『Phantom Blade Zero』も独自の戦闘や世界観で存在感を示そうとしています。筆者はこれまでに2度プレイし、直近のプレビューでは約4時間を体験しました。Summer Game Fest 2024で短時間プレイしたときと同じく、今回も特別な作品になる可能性を感じたといいます。注目したい10の理由を紹介します。
10. 独自のジャンルを目指している
ディレクターは、何年にもわたって『Sekiro』やソウル系作品、『Devil May Cry』などと比較されてきた本作について、どれか1つのジャンルには収まらないと説明しています。
ソウル系作品の探索やレベル設計に、斬撃アクションのスピード感を組み合わせ、武器やビルド、サイドクエスト、マップ、隠し要素を備えたRPGとして構成しています。さまざまな要素を取り入れながらも、それらはうまくかみ合い、独自の個性を形作っています。遊ぶ場面によってまったく違うゲームのように感じられることから、S-GAMEは「ファントムブレイドのジャンル」と呼んでいます。
9. カンフー映画のような戦闘を楽しめる
S-GAMEは往年のカンフー映画を研究し、ドニー・イェンの動きを分析しました。ドニー・イェンは本作のモーションキャプチャーにも関わっています。さらに、武術の達人や伝統的な流派からも学んだそうです。
映画の動きをそのままゲームに移すことはできません。映画では動作を途切れなくつなげられますが、ゲームではプレイヤーの操作や入力、アニメーションの切り替え、攻撃を受けた反応などが必要です。そこで開発チームは、映画とゲームの違いを埋める仕組みづくりに4年を費やしました。
主人公のソウルが攻撃を連続して繰り出すと、その工夫が感じられます。戦闘には振り付けのようなリズムがありながら、攻撃や受け流し、武器の切り替え、回避、敵を空中に打ち上げる動き、処刑攻撃を決めるタイミングはプレイヤーが選べます。筆者は、その動きの格好よさを評価しています。
8. 中国武侠の世界に触れる入り口になりそう
本作は中国文化を飾りとして使うのではなく、武侠、中国武術を題材にした幻想世界、明代の美術表現を作品の土台にしています。一方で、なじみのない用語を大量に並べることなく、海外のプレイヤーにも伝わる物語を用意しています。
物語の中心にいるソウルは、裏切られ、所属組織から追われることになった凄腕の暗殺者です。致命傷を負った彼に残された時間は66日。傷を治す方法を探しながら、犯人を突き止めて汚名をそそぐ必要があり、その過程で多くの殺しが起こります。筆者はこれを「ドニー・イェンが演じるジョン・ウィックのよう」と例えています。
復讐、友情、愛、憎しみ、裏切り、生き残ることといった感情は、文化を問わず理解しやすいものです。その一方で、武器や武術、風景、建築、神話、哲学的な考え方には中国文化が深く反映されており、世界の設定も入りやすくなっています。
7. 「カンフーパンク」という独自の美術表現
S-GAMEは本作を単に「ダークな中国風ファンタジー」とは呼ばず、「カンフーパンク」という言葉を掲げています。武侠や中国武術に、工業的・機械的な意匠やスチームパンク風の要素を組み合わせた表現です。
世界には奇妙な機械、赤い糸、巨大な建造物、不気味な鐘、仮面の人物などが登場します。中国文化を感じさせながら、一般的なファンタジーとは異なる不穏な雰囲気を生み出しています。この方向性はソウルの武器や敵、ボス、フィールドのデザインにも見られます。
開発チームの目標は、見た目の面白さだけにとどまりません。「カンフーパンク」をサイバーパンクやスチームパンクのように、それ自体で認識される表現にしようとしています。
6. 戦闘はソウルライクの枠に収まらない
予告映像を見て、本作をソウルライクだと思うのは無理もないと筆者は述べています。自身も最初はそう考えていましたが、実際に遊ぶと、戦闘はむしろ斬撃アクションに近く、その比較は誤解を招くと感じたそうです。
ソウルはメイン武器を2つ装備でき、軽攻撃と重攻撃を組み合わせられます。敵を空中に打ち上げて攻撃したり、処刑攻撃を決めたり、サブ武器を使ったりできるほか、武器を切り替えるだけで追加攻撃が発生することもあります。敵の攻めも激しく、攻撃の隙を待つだけでは対応しきれない場面があります。
そのため、実際の戦闘は予告映像から受ける印象よりも動きが多く、勢いがあります。筆者は、映像だけでは本作の戦闘をまだ分かったことにはならないとしています。
5. 30種類の武器が戦い方を変える
本作には30種類の武器が登場し、開発チームはプレイヤーに「正解」の装備を選ばせるつもりはありません。ソウルが子どものころに使っていた木の剣だけで、ゲーム全編をクリアすることも技術上は可能だと開発チームは説明しています。
この考え方には、強い武器を持つことだけが上達ではないという中国武術の思想が反映されています。技を極めれば、ただの木片も危険な武器になり得ます。武器ごとに仕組みや攻撃のテンポ、間合い、役割が異なり、大斧なら盾を打ち破れます。「酔剣」は、ソウルが酔うほど移動や攻撃が変化します。敵の仕組みに対して、異なる働きをする武器もあります。
シングルプレイ作品のため、開発チームは対戦ゲームのような厳密なバランス調整に縛られません。面白さを優先し、癖の強いものや極端に強いもの、用途が限られたものも作れる点を、筆者は魅力に挙げています。
4. ボス戦をラスベガスのショーのように演出
筆者はプレビューで10体近くのボスと戦い、その一部を体験のハイライトとして挙げています。本作ではボスを単なる体力ゲージと派手な動きの組み合わせではなく、ひとつの演目として作っているそうです。武器や音楽、キャラクターのデザイン、登場の仕方、戦闘場所、物語、振り付け、動き方までを一体として演出しています。
筆者のお気に入りは、戦闘中にワインを飲み続ける酔ったボスです。動きはゆるく予測しにくく、攻撃のタイミングも読みづらい一方で、戦闘には奇妙な個性があります。歯ごたえのある相手を倒した直後には、雰囲気も戦い方もまったく異なる2体のボスが待ち受け、筆者はその多彩さに驚いたといいます。
3. 難易度が物語を楽しむ妨げにならない
難易度は4段階あり、物語を重視したモードから、プレイ全体で使える命が66回に限られる高難度モード「66日」まで選べます。
難易度を上げると敵のAIや行動パターン、攻撃頻度が変わり、新しい能力も加わります。そのため、最高難度ではボスに対してまったく異なる戦略が必要になる場合があります。一方で、物語や美しいカンフーパンクの世界を気軽に楽しみたい人向けのモードも用意されています。
2. 25~30時間を無駄なく楽しめそう
本作のキャンペーンは約25~30時間を想定していますが、S-GAMEはプレイ時間を水増しすることを目指していません。ディレクターのソウルフレームは、資源集めのための反復作業や意味のないタスク、ボリュームを大きく見せるためだけの空っぽのマップを用意したくないと話しています。サイドクエストも作品の世界観に沿って作られています。
プレビューでも、その設計の一端を体験できたと筆者は述べています。比較的一本道のステージでも、道を外れて探索すると報酬や隠れた敵、設定に関するメモ、体力強化、サイドストーリーが見つかりました。筆者は、世界をコンパクトにまとめながら、隅々まで探索する価値を持たせる昔ながらのゲーム設計を評価しています。
1. 応援したくなる開発チームの歩み
本作に期待する理由は、ゲームの仕組みだけではありません。ファントムブレイドシリーズの始まりは20年以上前にさかのぼります。ソウルフレームが学生だったころに作った小規模なRPG Maker作品「Rainblood」は、報道によれば400万回以上ダウンロードされ、のちにS-GAMEを立ち上げる土台になりました。
長年モバイルゲームを中心に手がけてきたチームは、Unreal Engine 5を使い、コンソールとPC向けの大規模なAAA作品に初めて挑んでいます。スタジオによると、本作のウィッシュリスト登録数はすでに300万件を超えました。比較的知られていなかった中国のスタジオが、業界で注目される存在になりつつあります。
筆者は、本作の発売が単なる大作ゲームの登場以上の意味を持つと見ています。20年にわたる夢の集大成であり、中国のスタジオが過去最大の勝負に出る作品です。確立された型に従わなくても大作を作れることを証明しようとするチームの挑戦でもあります。