『ゼルダの伝説 時のオカリナ』リメイク、任天堂の社内チームが開発か。動作の軽快さが大きな改善点に
任天堂が物理メディアを重視する姿勢と、来月発売予定の『ゼルダの伝説 時のオカリナ』リメイクの出来には、共通する任天堂の優先順位が表れている、とPolygonのニュースレター「Switchboard」は論じています。先行プレイの印象では、リメイク版は原作最大の弱点だった動作の重さが大きく改善されており、操作が軽快で反応も良いと評価されています。
物理カートリッジにこだわる任天堂
発端は、任天堂のラテンアメリカ担当幹部ビル・ヴァン・ジル氏の発言です。同氏は「ファンがどれだけ物理版を好んでいるか、私たちは知っています」と述べ、物理カートリッジに対応する新プラットフォームとしてSwitch 2を発売したばかりだと説明しました。穏当な内容ですが、ソニーが2028年からPlayStationの物理ソフトの生産を終了すると決めたこともあり、話題になりました。
任天堂は玩具店とのつながりが強い家族向けの企業で、物理版の販売比率は競合他社より高くなっています。一方で、メモリーチップの価格上昇が続くなか、Switchのカードはブルーレイディスクよりも製造コストが高いはずだと記事は指摘します。多くのサードパーティが、実質的にダウンロード用の鍵でしかないゲームキーカードに頼っているのもそのためです。それでも任天堂は自社タイトルについて、ゲーム本編をすべてカードに収録する方針を崩していません。
記事は、企業が何にお金をかけるかで大切にしているものが分かると述べています。任天堂は通常、開発費を過度にかけることはありません。グラフィックの精細さを高めても、それに見合うほど楽しさが増えるわけではないという考え方によるものとしています。一方で『時のオカリナ』のリメイクについては、ゲーム全体をカードに収めるためにコストを負担しています。クリスマスにソフトを開けてSwitch 2に入れたら、ダウンロードを待たされる。そんな9歳の子どもの姿を想像すれば、それは受け入れられないと記事は書いています。
社内チームが手がけたとみられるリメイク
今週、リメイク版の先行プレイの印象が公開されました。PolygonのMichael McWhertor氏は、「キビキビとして無駄がなく、まったく新しいと感じられるほど磨き上げられている」と評しています。
任天堂は『時のオカリナ』をこれまでも何度か作り直してきました。3DS版の『時のオカリナ 3D』は外部のGrezzoが担当しています。美しい一方で動作が重かった2019年の『リンクの冒険』のリメイクも、同じくGrezzoの手によるものです。これに対して2026年版の『時のオカリナ』は、同じN64時代の作品である『スターフォックス』のリメイクとは異なり、任天堂の貴重な社内チームに割り当てられたようだと記事はみています。その違いは明らかだとしています。
先行プレイした各媒体は、豊かな映像表現に加え、操作に引っかかりがなく反応が良い点を挙げています。記事はこれを、任天堂屈指の名作が抱えてきた最大の弱点を大きく正したものと位置づけています。原作のN64版は20フレーム毎秒で動いており、その鈍さは実際に遊ぶと体感できるといいます。
「ブランドの評判」を守るための判断
記事は、リメイクでリリース予定を埋める点については、任天堂にも他社と同じ冷めた事情があると指摘します。ゲーム開発にはリスクがあり、新しいアイデアを生み出すのも難しいためです。ただ今回は、任天堂が名作を意味のある形でより良くする機会を見いだし、第一者タイトルのカード収録と同じように、中途半端な対応を避けたとみています。
それはレガシーとブランドの評判に関わる問題であり、任天堂が何より気にかけているものだ、というのが記事の結論です。