リマスター版『Godzilla: Destroy All Monsters Melee Remastered』は粗さも含めて原作の魂を残した、評価の割れる保存の試み
GameCubeで2002年に発売された『Godzilla: Destroy All Monsters Melee』のリマスター版が登場しました。見た目は一新され、オンライン対戦も加わりましたが、雑で奥行きの浅い対戦アクションという本質は変わっていません。評価できるのは原作の精神を忠実に守った点で、気になるのは、アンロック要素を作業的な育成に置き換えた点です。本記事では、Atariが手がけたこのリマスターを、数時間プレイした筆者の視点で紹介します。
雑誌でしか知らなかった「雑誌ゲーム」の復活
筆者は子どものころ、遊んだことはなくても、Electronic Gaming MonthlyやNintendo Powerの誌面で隅々まで知っていたゲームがあったと振り返っています。本作はまさにその1本で、当時は付録のポスターを部屋に貼っており、評価が伸び悩んだ後もはがさなかったそうです。
こうした作品は、リマスターの候補になりにくい存在です。名作が何度も現行機に移植される一方で、レトロゲームのイベントで見かける希少なコレクターズアイテムになりがちだからです。そのため、本作がリマスターされたこと自体を筆者は喜んでいます。
ただし、2002年に厳しかった批評家の見方を覆すほどではないとのことです。リマスターの役割は名誉挽回の物語を作ることではなく、プレイした記憶が箱絵しかないようなゲームも含め、あらゆる作品を保存し称えることにあると筆者は述べています。
評価が当時とほぼ変わらない理由
原作はPipeworksが開発した3D対戦アクションで、ゴムのような質感の怪獣たちが戦います。アーケードの名作『Rampage』と『Super Smash Bros.』を混ぜたような内容で、壊せる街を舞台に、方向入力を使った攻撃で戦います。発売当時、Nintendo PowerやIGNなどから高い評価を受けた一方、多くの批評家は奥行きの不足を問題視し、スコアは平凡なものにとどまりました。
2026年にも同じことが起きており、Metacriticのスコアは原作が73、リマスターが72とほぼ同じです。筆者もPipeworksによる忠実なリマスターを数時間遊び、この反応は納得できるとしています。見た目は洗練されたものの、原作の欠点もそのまま受け継いでいるというのが筆者の見立てです。
パーティー向けのバカバカしい楽しさと、目立つ欠点
本作は、今もパーティー向けの楽しいボタン連打アクションです。ゴジラやメガロの着ぐるみのような足で東京を壊して回るだけで、すぐに遊べる面白さがあります。試合はプロレスの試合のように大げさで、怪獣がボディスラムを決めたり、尻尾で建物を打ち払ったりします。最初はぎこちなく感じても、ガードや、放射熱線で相手との距離を取る使い方、建物の陰に隠れて身を守る方法を覚えるうちに形になります。殴る以外の選択肢があるぶん、気軽に遊べる対戦ゲームとして十分な深みがある、というのが筆者の評価です。
子どものころはGameStopの試遊台でしか触れられなかった筆者は、欠点を認識しながらも、すぐにリマスターに夢中になったといいます。一方で、気になる点も具体的に挙げています。
- つかみボタンの反応が不安定で、建物や相手を持ち上げようとして苦労する
- 広い市街地のステージでは、移動に手間を感じる
- キャラクターのバランスが大きく崩れており、キングギドラのような飛行する怪獣は地上の相手に対して明らかに有利になる
- アーケードモードは単調で、宇宙人の侵略と戦うという筋書きなのに、怪獣ごとの個別のストーリーがない
筆者は、本作のようなゲームが当時、週末に借りるBlockbusterのレンタル作品として遊ばれることが多かったのには理由があるとしています。数時間で底が見えてしまうからです。
原作の精神を守った部分と、余計な変更
それでも、短い付き合いになるとしても、GameCubeの愉快な歴史にここまで真剣に向き合った作品に触れる価値はあると筆者は考えています。昔ながらの怪獣バトルをゲームに落とし込む工夫が巧みで、着ぐるみの人間が壊れやすいミニチュアの街を踏み荒らしているという感覚がよく伝わるそうです。新しいテクスチャーがゴムの質感をいっそう強めることで、リマスターもその精神を受け継いでいます。ぎこちない戦闘の感触が残されている点も筆者は評価しており、批評家には好まれないとしても、原作の構想を尊重しているときにこそリマスターは最も輝くと述べています。
反対に、好ましくないのは、意味の薄い変更を加えた部分です。原作では、条件を満たすと新しい怪獣やステージが手に入りました。リマスターではこれが、プレイして研究ポイントを貯める、長く続く育成要素に変わっています。この方式では退屈なモードを何度も繰り返し遊ぶことになり、突然新キャラクターが手に入る昔ながらの喜びも失われます。GameCube時代の設計を尊重した作品の中で、これだけは悪い選択だと筆者は指摘しています。
評価をどうまとめるか
この欠点があっても、筆者は本作が歴史を書き換えようとせず、現行機で正当に評価される機会を得たことを喜んでいます。PlayStation 2とGameCubeのソフトを集めている筆者は、開発者が3Dゲームの手触りを模索していた時代の古いゲームを開く喜びは格別だと語ります。現在のゲームはパリィの感覚が科学的なまでに洗練され、予測しやすく画一的に感じられることがあるのに対し、Pipeworksは2002年に、日本の映画の伝統に忠実なゴジラのゲームとはどうあるべきかを手探りしていました。その結果は時に雑でも、意図的な設計判断に満ちた古いゲームを遊ぶのは楽しいと筆者は述べています。
『Godzilla: Destroy All Monsters Melee Remastered』は2026年のほかのどの作品とも違う手触りを持ち、それこそが、ゲーム史での位置づけとは関係なく、保存する価値のある作品にしているというのが筆者の結論です。奥行きや完成度を求める人には向きませんが、短時間でも愉快な怪獣バトルと当時の空気を味わいたい人には、遊ぶ価値のあるリマスターといえます。