『WoW: Forever』ベータ版は「本来あるべきWoW」だったと評価、レベル上限60のまま世界を広げる挑戦が焦点に
2026年11月04日 | #ゲーム紹介 | Polygon
Polygonが、11月4日に配信される『World of Warcraft: Forever』(以下『WoW: Forever』)のベータ版をプレイした印象を伝えています。筆者は、クラシック版『WoW』の魅力を保ちながら磨き上げた内容を「本当に魔法のよう」と評価する一方、今後の拡張には疑問も示しています。
新種族の島ではしっくりこなかった序盤
筆者が最初に作ったのは、2005年の最初のキャラクターと同じトロルでした。デュロターやバレンズの風景が新しい描画でどう見えるかを確かめたかったためです。ただ、配信後の本編でもトロルで遊びたいと考え、体験を損なわないようレベル6で止めています。
その後、新種族スカイボーンのエルフと、空に浮かぶ開始エリアのゼフラス島を確かめるため、スカイボーンのドルイドで最初から始めました。公式のゲームパッド対応は、『WoW』の複雑なインターフェースすべてに合うわけではないものの、とても便利だったとのことです。クエストや地形を、20年分の進化したゲームデザインを忘れたかのようにクラシック風に作り上げている点にも感心しています。
現代の『WoW』と比べると、より厳しく、同時により落ち着いて遊べるMMOだといいます。進行の誘導は少なく、テンポもゆっくりです。通常のモンスターを同時に3体以上相手にするのは危険で、クエスト中に体力が80%を切ることもあります。じっくり時間をかけ、細部に気を配り、一歩ずつ進む遊び方が求められます。
それでも筆者は違和感を覚えました。スカイボーンには納得しきれず、浮遊する故郷も逃げ道のように感じたそうです。本作は並行世界ではなく、オリジナル『WoW』と同じ時期のメインの時系列にあるため、後の出来事と矛盾できません。そのためBlizzardには、象徴的な古い世界と20年分の設定を損なわずに広げる難しさがあると指摘しています。楽しめてはいたものの、2005年や「Wrath of the Lich King」「Legion」の頃のように引き込まれることはなく、手を止めやすかったとも述べています。
アゼロスに降りて一変した没入感
ゼフラス島を離れてアゼロス本土へ向かうと、すべてがかみ合ったといいます。筆者はそこで、これまで遊んだどのゲームよりも深く『WoW』に没入しました。
この遅れて来る感覚は、クラシック『WoW』の設計に由来します。レベル10未満は世界に慣れるための単純な作業ですが、10から20の間で一気に面白くなります。景色が広がり、冒険の選択肢が四方に増えていきます。首都の賑わいに入り、経済活動にも参加できます。高速移動が非常に限られた本作では、飛行船のような移動手段が解放され、広大な大陸が目の前に広がります。専門化の選択で戦闘も複雑になり、初めてのダンジョンでは他のプレイヤーと組みます。2000年代初頭にBlizzardが作った世界の規模が見えてくる、ゲーム史でも屈指の転換だと筆者は語ります。
開発チームはこの体験を見事に再現し、粗い部分もうまく整えているそうです。原作の精神は損なわれておらず、懐かしむ復帰組や新規プレイヤーを引きつけています。クラスは個性がありつつ調整され、レベル上げのテンポも良く、やることが足りなくなる場面はありません。筆者は「『WoW』のかつての姿ではなく、本来あるべき姿」だと表現しています。
人との交流が戻ったダンジョン
ベータでは、レイジファイア・チャズム、ワイリングケイヴァーン、新ダンジョンのルーインズ・オブ・ローデロンを遊びました。新しいグループ募集機能は、募集掲示板のような仕組みです。現代の即時マッチングに比べると不便そうに見えますが、実際には短時間でグループが見つかったとのことです。
プレイスタイルは「学習中」「のんびり」「競争的」から選べ、プレイヤー同士の会話を促す狙いがあり、実際に機能していたそうです。「のんびり」のグループは、丁寧で親しみやすく、柔軟に話し合える雰囲気でした。現代の『WoW』のダンジョンのような、無言で急ぐ空気はありません。初対面のプレイヤー同士に本物の仲間意識があり、筆者はこれをどれほど恋しく思っていたかに気づいたといいます。
息をのむ美しさ
筆者は、これまで見たことのないリマスターだとも評価しています。元のテクスチャーやアート素材は、ざらついた魅力を残したままです。より精細な「HD」キャラクターモデルも選べます。そこに最先端のライティング、印象的な霧や天候、美しい水の表現が加わっています。リアルタイムで進む24時間の昼夜サイクルと合わさり、グラフィックが豊かな多くのゲームよりも強い場所の実感を生んでいるとのことです。
アゼロスに長く愛着がある人にとって、これは本作を遊ぶ最大の理由かもしれないと筆者は述べます。開発チームの4つの指針の最初は「世界こそが主人公」で、本作は屈指の名作世界を、華やかさと100%の本物らしさを両立して蘇らせているそうです。
上限60のまま拡張できるか
筆者は、開発チームの情熱も感じ取ったといいます。レベル上限を60より上げず、後の『WoW』のようにコンテンツを追い続けるゲームにしないまま、クラシック版を拡張するという課題に挑んでいます。筆者はこれを難しく、実現可能かどうかも分からないと見ています。
それでも、ベータの体験から、短期的には単なる懐古を超えた存在意義を持つ「本当に魔法のような」作品になっていると評価しました。『WoW Classic』が琥珀のように保存してきた名作を、特別さはそのままに取り出し、息づく余地を与えた作品だと結んでいます。