Polygon筆者、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』リメイクはGOTYノミネート確実も受賞はないと予想
Polygonの筆者は、Nintendoが手がけた『ゼルダの伝説 時のオカリナ』の新バージョンについて、The Game AwardsのGame of the Yearを含む複数部門にノミネートされる可能性が高いと見ています。一方で、リメイク作品である以上、大賞の受賞はないとも述べています。
過去のリメイクとノミネートの傾向
筆者によると、2014年にThe Game Awardsが始まって以降、高く評価されながらGame of the Yearにノミネートされなかったリメイクは数多くあります。例として挙げられているのは、『Shadow of the Colossus』『ゼルダの伝説 夢をみる島』『Demon's Souls』『The Last of Us Part 1』『Silent Hill 2』です。いずれも名作の新バージョンとして称賛され、それぞれの年を代表する高評価作でした。
ノミネートされたリメイクは、『Resident Evil 2』『Resident Evil 4』『Final Fantasy 7 Remake』『Final Fantasy 7 Rebirth』の4本です。これらは原作の物語を現代的なゲームの文法で大胆に語り直し、ときには根本的な変更も加えています。Final Fantasy 7のリメイク計画は、1本のゲームを3本に広げ、ジャンルが違うと思えるほどの作りになっています。
『時のオカリナ』はこの2グループの中間にあたると筆者は位置づけています。物語と設計は原作に忠実で、いくつかの賢い現代化を加えた程度ですが、ビジュアルはこれまでのリメイクで最も劇的といえるほど大きく刷新されました。CapcomやSquare Enixのように「今作るならこうなる」という方針ではなく、設計はより古典的です。かといってBluepointによるPS4版『Shadow of the Colossus』のような緻密な再現でもなく、原作とは見た目も手触りも異なることを恐れていないとされています。
ノミネートが有力だと考える3つの理由
筆者が挙げる1つ目の理由は、圧倒的な高評価と競合の弱さです。『時のオカリナ』のMetacriticのスコアは96で、現時点で今年最高です。GOTY候補と目される『Resident Evil Requiem』や『Fire Emblem: Fortune's Weave』はいずれも90点台に届いておらず、大きく引き離しています。未発売作品でこれを上回りうるのは『Grand Theft Auto 6』くらいだとして、筆者は「無視できない」存在だと述べています。
2つ目は、審査員の多くが原作に抱く特別な思い入れです。1998年版は『The Last of Us』や『Resident Evil 4』と比べても別格で、並べるとすれば『Final Fantasy 7』くらいだというのが筆者の見方です。深い郷愁を呼び起こし、さらにゲームというメディアの最高傑作という揺るぎない評価も持っています。審査員を務める批評家が、リメイクが原作に見合う仕上がりだと認めるなら、それを称えたいと考えるはずだとしています。
3つ目は、大型新作に並ぶ「イベント」になっている点です。原作から約30年を経た視覚面の刷新だけでも、十分に話題を呼ぶと筆者は述べます。Nintendoは外部に任せず社内のゼルダチームに開発させ、今年最大のタイトルとして位置づけてきました。『GTA 6』に対抗できる唯一の作品、あるいは最も目を引く対抗馬として語られており、まさに「今の」ゲームだとしています。
筆者は、GOTYのほかにBest Action/Adventure、Best Score and Music、さらにBest Audio Designや、Best Art Directionにもノミネートされる可能性があると予想しています。アートディレクションは今年最も目立つもので、多くの批評家も受け入れる方向に傾き、強いビジョンと技術で作られていることは否定できないとのことです。
受賞はないとする筆者の見方
それでも筆者は、今年が『GTA 6』の年でなかったとしても、『時のオカリナ』が受賞する道はないと考えています。Final Fantasy 7の2作品は新作に近いため例外かもしれないものの、それ以外のリメイクの受賞は除外できるという立場です。『時のオカリナ』は古いゲームであり、オリジナル作品ではないため、審査員が「a game of the year」として認めても、「the game of the year」に選ぶ理屈は見いだしにくいとしています。
筆者はその判断も妥当だと述べます。『時のオカリナ』が受賞すれば、業界が自らとその最良の作品をどう見ているのかについて、不可解なメッセージを送ることになるというのです。この名作と、ゼルダシリーズ内でも廃れた設計思想の価値をあらためて示すことは立派で正しいが、それが今のゲーム業界が提供できる最高の姿だと言うのは、たとえ事実だとしても悲しいことだと結んでいます。