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『鬼武者 Way of the Sword』は戦闘が圧倒的ながら現代的な要素が足を引っ張る

2026年09月01日 | #ゲーム #レビュー | VGC (review)

『鬼武者 Way of the Sword』は戦闘が圧倒的ながら現代的な要素が足を引っ張る

長い空白期間を経て復活した鬼武者シリーズの新作は、シリーズの核だった剣戟アクションを見事に現代へ蘇らせています。一方で、広大な京都や長いミッション、同じボスとの再戦など、近年のゲームから取り入れた要素がテンポを損ねているとの評価もあります。原文筆者は、戦闘だけを見れば非常に優れているものの、本作の魅力を周辺要素が覆い隠していると評しています。

剣戟アクションが最大の魅力

主人公は宮本武蔵です。悪魔の侵攻を受けた京都を舞台に、複数の腕や頭、武器を持つ敵たちを倒しながら道を切り開き、自身に宿った新たな力の正体へ迫っていきます。武器は刀と弓が中心ですが、戦闘の大半で使うことになるのは刀です。

武蔵は超常的な力を扱える籠手も装備しています。敵を倒したあとに籠手で何かを吸収することで、体力などを回復できますが、吸収中は動きが遅くなり、攻撃を受けやすくなります。回復が必要な状況でも、目の前で隙をさらしてまで使う価値があるのかを判断しなければならず、単なる回復手段にとどまらないリスクとリターンの要素になっています。

防御や弾きも可能ですが、シリーズを象徴するシステムとして特に重要なのが「一閃」です。敵の攻撃が命中する直前、極限まで引きつけて攻撃を当てることで発動するカウンターで、成功すれば敵に大きな打撃を与えられます。タイミングを身につけるまでは難しいものの、狙って発動できるようになると、ほとんどの敵を次々と切り伏せられるようになります。

原文筆者は、一閃を決める精度を高めていく過程を本作で最も楽しい部分の1つとして挙げています。プレイヤー自身が上達する余地を明確に感じられる仕組みであり、より高い難度に挑戦したい人にとっても目標になります。ただし、一閃を完全に身につけると、通常の敵や中ボスとの戦いが急激に単調になるという問題も指摘されています。ボス戦でタイミングを探る間は苦戦しても、雑魚戦ではほとんど死ななくなり、作業のように感じられる場面が増えるとのことです。

ボス戦は強烈だが再戦が多い

本作の大型ボスは、見た目、動き、戦闘中の存在感のいずれも印象的です。敵は高速で動きながらも攻撃の予兆を読み取りやすく、巨大なボスは威圧感と嫌悪感を兼ね備えています。原文筆者は、こうしたデザインが「鬼武者らしさ」をしっかり保っていると評価しています。

敵の演技も独特です。人型のボスは、現実の舞台上で役者が大げさな身振りを交えながら戦っているような、どこか芝居がかった動きを見せます。コミカルさを含みながらも脅威は失われておらず、攻撃のタイミングを慎重に見極める場面に緊張感と軽妙さを加えています。物語そのものは強く印象に残るものではない一方、こうした敵の存在感や、一部のサイドクエストにある気の利いた会話は見どころとされています。

ただし、同じボスと何度も戦う構成には厳しい見方が示されています。序盤は、以前なら長時間かかっていた敵を短い手数で倒せるようになったという、武蔵とプレイヤー双方の成長を表現しているように受け取れます。しかし、同じ再戦が7回、8回と続くと、物語上の意味よりもプレイ時間を引き延ばすための水増しに見えてしまうとのことです。原文筆者は、もともと約30時間で大部分の内容を見られるため、メインミッションまで同じ中ボスとの戦いで膨らませる必要はなかったとしています。

京都の構成とゲームテンポに課題

舞台となる京都は、悪魔の出現によって多くの道や通路が封鎖されています。敵を倒しながら進行し、街を少しずつ取り戻していく構成ですが、原文筆者は本作の京都が「悪くはない」ものの、それ以上にゲーム体験を高める存在にはなっていないと述べています。

問題視されているのは、シリーズが長い不在の間に登場したオープンワールド作品から、必ずしも適切ではない要素を取り入れている点です。広い舞台を探索する仕組みや、長く続くミッションが戦闘の魅力を薄め、プレイの流れを鈍らせています。原文筆者は、京都を歩き回る形式よりも、ステージを順番に攻略していく完全な一本道の構成のほうが本作に合っていたと考えています。

その一方で、終盤は評価が大きく変わります。最後の幕では、大規模なセットプレイとボス戦が連続して展開され、戦闘の面白さが前面に押し出されます。原文筆者にとって、そこが本作の最も優れた部分です。派手な展開が続く終盤こそ、鬼武者が本来持っていた強みであり、探索や寄り道などの周辺要素は、その魅力を見えにくくしているとされています。

復活作としては惜しさも残る

原文筆者は、本作のアートディレクションをほぼ申し分ないものと評価しています。敵の造形は華やかで、激しく動きながらもプレイヤーが状況を把握しやすいように作られています。巨大なボスの醜悪さや迫力も含め、ビジュアル面ではシリーズの個性が現代の表現に置き換えられています。

しかし、戦闘以外の部分には不満が残ります。物語は特別に記憶へ残る内容ではなく、同じボスとの再戦や長すぎるミッションがテンポを悪化させています。一閃を極めた後の通常戦闘が単調になる点も、優れた戦闘システムを十分に活かしきれていない要因です。

それでも、シリーズ復活そのものは歓迎されています。原文筆者は、本作の中心には特別なゲーム体験があるとし、鬼武者が戻ってきたことを喜んでいます。ただし、現代的なゲームの流行を取り込むことに意識が向きすぎた結果、すでに多くのプレイヤーが離れつつある要素まで強調されてしまったとも指摘しています。タフなアクションゲームとしての本作は確かな魅力を持つだけに、戦闘を支えるための要素と、戦闘を邪魔する要素の取捨選択が、より明確であれば理想に近づいていたようです。