『1666: Amsterdam』は魔女の憑依で手がかりを探すステルスアクション
2026年09月09日 | #ゲーム紹介 | GamesRadar+
魔女が猫や住民に乗り移り、運河と建物が密集したアムステルダムを調査する『1666: Amsterdam』のEarly Access版が注目を集めています。Assassin’s Creedのクリエイターによる本作ですが、広い街を自由に調べ、変装や戦闘よりも自分で侵入経路を見つけるゲーム性は、むしろ往年のHitmanに近い内容です。原文筆者は約10時間プレイし、戦闘には不満を示しながらも、憑依能力が生み出す独特な潜入方法を高く評価しています。
魔女として悪魔の宿主を追う
プレイヤーが操作するのは魔女のNoaです。彼女の目的は、超自然的な力を世界に持ち込んだ悪魔の標的「Originals」を見つけ出し、浄化すること。標的を追えるのは満月のあいだだけで、1年の期限内に手がかりを集めながら、悪魔と不死の契約を結んだ人間を探し出していきます。
舞台となるのは1666年のアムステルダムです。魔女狩りの対象になっている魔女たちが過酷な襲撃を受ける一方、Noaは魔女を追う側、すなわちハンターとして行動します。Early Access版の最初の2つのメインミッションでは、数ブロックの街区と運河が調査エリアになりますが、住居や商店、大学、刑務所など、そのほとんどの建物に入って探索できます。
標的について最初から分かるのは名前と、おおまかな居場所だけです。例えば「Inquisitive Crane」という人物を探す場合でも、目的地へ直行できるわけではありません。街の掲示物を読んだり、宿屋でうわさ話を聞いたりして情報を集め、標的がいる可能性のある建物を一軒ずつ調べる必要があります。原文筆者は、大学の隣にある住宅街に標的が住んでいるらしいというメモを手がかりに、建物の窓から内部をのぞき込む場面を紹介しています。
赤いローブをまとえば魔女らしい外見になりますが、周囲から警戒され、衛兵を引き寄せる原因になります。そのため、普段は目立ちにくい黒いドレスと白いボンネットで行動します。ボタンを押し続ければ少し速く歩けますが、派手な移動手段を使える場面は限られています。衛兵に追われたときにはほうきで運河を滑走し、追跡を振り切ることも可能です。
不法侵入をしたり、人混みの中で不審な行動を取ったりすると、画面上の疑念メーターが上昇します。メーターが高くなれば衛兵に追われるため、堂々と魔法や攻撃を使うより、周囲に怪しまれない方法を選ぶことが重要です。原文筆者は、窓を開けて中を確認したあと、疑念が高まり始めるとすぐにその場を離れる場面を挙げています。
猫と住民を利用した潜入
Noaの使い魔である猫のAaronは、別のボタンで直接操作できます。Aaronは周囲を偵察し、アイテムを1つ持ち運べるほか、高い場所へ跳び上がったり、小さな隙間を通り抜けたりできます。猫が日なたで過ごしているだけなら、開いた窓のそばにいても人々の疑念を招きにくく、Noaでは近づきにくい場所を安全に調べられます。
Aaronの役割は偵察だけではありません。建物の内部へ入り、内側から掛け金を外してドアを開けることもできます。ただし、Noaが建物内に入るには、衛兵に見つからない状態を維持しなければなりません。猫を嫌う使用人を見つけた場合は、Aaronがその人物を引っかいて攻撃し、肩に乗ってその肉体を完全に支配できます。
住民に憑依したあとも、その人物の立場を利用して探索を続けられます。使用人を操れば、Aaronがさらに室内のドアを開けるあいだ、Noaを建物内へ案内することが可能です。最後には使用人自身の鍵で正面のドアを開け、Noaと腕を組んで歩きながら、巡回中の衛兵から彼女を守ることもできます。
この肉体乗っ取りは、単なる移動手段ではありません。建物の奥にある立入禁止の部屋へ入り、本棚やテーブルを調べ、薬の材料や探索に役立つ物品を集めるための中核システムです。原文筆者は、別の家に入り込んでしまったにもかかわらず、その寄り道によってポーションの材料を集め、立入禁止区域を数秒間、誰にも邪魔されず移動できるレシピを完成させたと説明しています。
猫以外の人物も、状況に応じて利用できます。大学へ入りたい場合は、路上にいる学者に憑依して研究施設へ案内させることができます。鍵開け道具を持った悪党を操れば、その人物に建物への侵入を代行させることも可能です。衛兵の中には、仲間を大きな警棒で気絶させるよう命令できる者もいます。
こうした仕組みによって、同じ目的でも複数の侵入方法が生まれます。猫で建物を調べて内部の鍵を開ける、住民の立場で衛兵の前を通過する、鍵開けのできる人物を使うなど、Noa自身がすべてを実行する必要はありません。原文筆者は、この自由な憑依システムを、Omikron: The Nomad Soulの魂の乗り換えを思わせながら、より頻繁かつ自由に使えるものとして紹介しています。
手探りで広がる魔法と成長要素
探索の途中では、魔女の集団が用意した隠し金庫を見つけることがあります。そこからはNoaの強化を入手でき、原文筆者は体力が増加する報酬を得ています。成長システムはローグライク作品に似た「3つから1つを選ぶ」形式で、毎回の選択によってビルドの方向性が変わります。死亡時に確定していなければ、選択肢を引き直すこともできます。
確認されている強化には、茂みに隠れられるようになるものや、衛兵を狭い場所へ吸い込んで閉じ込めるものがあります。建物の高い位置にある、人間が通れそうな窓へ空中から侵入できる能力も示唆されていますが、原文筆者は実際にその能力を確認できていません。
能力の効果は、入手した時点では分かりにくい場合があります。現代の研究者Clioが、NoaとAaronの残した文章を読み解いていく物語構造になっており、新たな魔法の言葉を学ぶことで能力の理解が進みます。そのため、説明を読んですぐ使いこなすというより、実際に試して効果を確かめる場面も多いようです。NoaとAaron、さらに現代のClioがつながる構成について、原文筆者は奇妙で層のある物語だとしています。
一方、調査の合間に挟まるボス戦は評価されていません。Noaのほうきによる打撃攻撃そのものは致命的な問題ではないものの、ボスの攻撃パターンが単調で、戦闘に面白さがないと原文筆者は指摘しています。Early Access版の段階では、戦闘システム全体を大きく見直す必要があるという厳しい見方です。
Early Access版の現状と評価
Early Access版では、最初のマップを舞台に2つのメインミッションをプレイでき、そこには3人の標的が登場します。合間には1999年を舞台にした、より直線的なミッションも用意されています。約10時間のプレイを通じても、Noaの安全な拠点を取り囲む街路の一部しか探索できなかったとのことで、建物や住民を調べる余地はまだ大きく残されています。
原文筆者は、角にある店のパン職人に憑依し、その店の倉庫にある大量の材料へ、Noaが検査を受けずに入れるようにした場面も紹介しています。このように、主要な標的を追う過程であっても、特定の人物の身分や職業を利用することが探索の進展につながります。掲示板や宿屋から得られる情報だけでは標的を特定できず、最終的には立入禁止区域へ入って追加の情報を手に入れなければなりません。
本作はEarly Accessの開始段階ということもあり、操作方法や能力の説明は十分ではありません。Noaが使えるスキルの中には、どのように侵入へ役立つのか理解しづらいものがあり、プレイヤーが実地で試す必要があります。また、制作にAIが使われていることについて、原文筆者は強い抵抗感を示しており、その扱いがある程度後退したとしても問題は残るとしています。
それでも、原文筆者が最も強く惹かれているのは、魔法による戦闘ではなく憑依による潜入です。猫で侵入口を探し、人間の身体を操って鍵を開け、別の人物の能力で研究施設や倉庫へ入り込む。本作は、プレイヤーに決められた手順を示すのではなく、密度の高い街の中から自分で手がかりと突破口を見つけさせます。戦闘やチュートリアルには課題を抱えているものの、その奇妙で創造的な潜入システムこそが、現時点で最大の魅力になっています。