『Total War: Warhammer 40,000』はシリーズ最大級の複雑さと初心者向けの導線を両立
2026年09月09日 | #ゲーム紹介 | Eurogamer
複雑な大規模戦略と、シリーズ未経験者でも入りやすい導入部をどう両立するのか。Creative Assemblyは、Total War: Warhammer 40,000を「これまでで最も複雑で、最もアクセスしやすいゲーム」と位置づけています。Gamescomで開発陣が、銃火器中心の戦闘を支える新システム、銀河規模のキャンペーン、そして2種類のチュートリアルキャンペーンについて説明しました。
銃弾1発まで扱う大規模な戦闘システム
本作の戦闘は、従来のTotal Warシリーズよりもはるかに多くの遠距離攻撃を扱う設計です。Creative Assemblyでバトルの開発を担当するDave Petry氏によれば、Warhammer 40,000の世界を再現するには、従来の仕組みをそのまま流用することはできませんでした。銃、ボルト弾、レーザーなど、画面上で飛び交う大量の射撃を処理するため、戦闘システムそのものを根本から作り直したとしています。
戦場では、銃撃の量だけでなく、射線と遮蔽物も重要になります。部隊をどこに配置し、敵から見られているか、どの遮蔽物を利用できるかを判断しながら戦うことになります。航空爆撃や強力な部隊強化など、状況に応じて即座に使える戦術能力も登場しますが、単に強力な能力を使えば勝てるわけではありません。敵に合わせて武器を選び、相性のよい火力をぶつける必要があります。
遠距離攻撃が大幅に増える一方で、近接戦闘も残されています。射撃だけで敵を一方的に倒すのではなく、銃撃と近接攻撃を組み合わせながら部隊を運用する、従来作とは異なる判断が求められそうです。多数の武器と能力を同時に扱うことが、本作の複雑さにつながっています。
銀河全体を動かす新エンジン
キャンペーンの規模も、過去のシリーズ作品から大きく拡張されています。これまでの戦いが主に単一の惑星を舞台としていたのに対し、本作では銀河を舞台に、複数の惑星と複数の戦場を同時にシミュレーションします。チュートリアルキャンペーンのデザインを担当するJoy Dey氏は、この規模を成立させるために新たなWarcoreエンジンが必要だったと説明しています。
Warcoreは、銀河規模のキャンペーンを支えるための基盤として開発されたものです。各惑星で展開される戦闘や、広大なマップ上で進行する勢力の動きを同時に扱うことが想定されており、単に戦場を広げるだけではなく、ゲーム全体のシミュレーション規模を引き上げています。
このスケールアップは、ゲームを複雑にする要因でもあります。プレイヤーは目の前の戦闘で部隊を動かすだけでなく、銀河の各地で進行する戦況にも目を配ることになります。開発陣は、Warhammer 40,000らしい圧倒的な戦力と戦場の広がりを再現するため、処理面とゲームシステムの両方を拡張したとしています。
サブ勢力の個性と部隊カスタマイズ
開発陣が意識したのは、Space Marinesのような大規模勢力だけではありません。Warhammer 40,000では、同じ大きな勢力に属するサブ勢力や部隊にも、それぞれのファンが存在します。バイクを重視するチャプターもあれば、奇襲や一撃離脱を得意とするチャプターもあり、単に勢力名を再現するだけではコミュニティの期待に応えられないと判断されました。
その解決策として、本作では部隊の専門化を重視しています。部隊をレベルアップさせて役割を特化させられるほか、ボルトライフルやストーカーレーザーライフルなど、好みに応じて武器を選択できます。軍曹にも一定のカスタマイズ要素が用意され、編成やプレイスタイルに合わせて部隊の性格を変えられる仕組みです。
Petry氏は、部隊の専門化をシリーズ初の要素と説明しています。プレイヤーが自分の理想とするチャプターやクランを作り、その設定をゲーム内で表現できることが重要だとしています。用意された勢力を選ぶだけでなく、自分なりのWarhammer 40,000を作り上げられる点が、本作のファン向け要素の中核になります。
初心者を導く2種類のチュートリアル
複雑な要素を数多く盛り込みながら、シリーズ未経験者を置き去りにしないことも、開発陣が重視した部分です。Warhammer 40,000自体の人気が高まり、新たにTotal Warへ入ってくるプレイヤーが増える可能性を見込み、過去最高に取り組みやすいチュートリアルを目指したとしています。
本作には2種類のチュートリアルキャンペーンが用意されます。ゲーム開始直後からすべてのシステムを開放するのではなく、専用キャンペーンの進行に合わせて個別の機能を段階的に導入する仕組みです。UIの表示を制限しながら必要な情報を少しずつ提示することで、いきなり巨大なキャンペーンへ放り込まれる感覚を抑えます。
Dey氏によると、この2つのチュートリアルは開発の初期段階から計画されていました。Total War: Warhammer 3のチュートリアルキャンペーンを発展させたもので、基本システムを学ぶだけでなく、フルキャンペーンや別のゲームモードへ移行するための橋渡しとして設計されています。シリーズ未経験者が、戦闘・キャンペーン・勢力運用を順番に理解できるようにする狙いです。
さらに、チュートリアルはWarhammer 40,000の世界観を知るための入口にもなります。銀河規模の戦争や、超人的な兵士たちが戦う重厚で暗い設定は、一般的な歴史もののTotal Warとは異なるためです。ゲームの操作だけでなく、勢力の背景や本作特有の雰囲気にも触れられる導入を用意し、戦略ゲームのファンが世界観へ入りやすくする考えです。
開発陣が見据える長期的な展開
ブランドディレクターは、本作をCreative Assemblyにとって「新たな時代の始まり」と表現しています。Petry氏も、初期リリースの段階では比較的小さな構成から始め、今後さらに多くの要素を追加していく方針を示しました。過去のTotal War: Warhammerと同じように、時間をかけてコンテンツを拡張していく構想です。
一方で、Petry氏はバージョン1.0の時点で問題が残る可能性も認めています。新しい仕組みと大規模なシミュレーションを組み合わせた本作について、発売後も改善を続けながら完成度を高めていく姿勢を示しており、開発陣は複雑さを維持したまま、より多くのプレイヤーが参加できる作品を目指しています。