『Warhammer 40,000: Space Marine 2』開発元が北米開発を縮小し欧州中心へ
2026年09月12日 | #その他 | GamesRadar+
『Warhammer 40,000: Space Marine 2』の成功を支えた要因として、開発コストを抑えやすい欧州での制作体制が注目されています。Saber Interactiveの最高クリエイティブ責任者Tim Willits氏は、同社が北米での開発を大幅に縮小し、現在は「北米に実質的な開発拠点はもうない」とGamesIndustry.bizに語りました。
Saberの開発拠点は欧州が中心に
Saber Interactiveは米フロリダ州に本社を置き、米国内にもいくつかの子会社を持っています。しかし、開発部門の大半は欧州各地に展開しているとのことです。Willits氏によれば、北米でゲームを制作する場合、サンフランシスコやロサンゼルスのような都市を中心に給与水準が高くなり、開発費が大きく膨らみます。そのため、給与相場が比較的低い地域で開発することで、制作費を大幅に抑えられるとしています。
同氏は、北米の大規模スタジオについて、月単位で数百万ドル以上の運営費が発生するケースがあると説明しました。数億ドルを売り上げたSnowRunnerでさえ、Saberにとっての開発費は数百万ドル規模だったといい、カリフォルニアの大手スタジオなら3カ月分の費用に相当するという比較も示しています。大規模タイトルを5年かけて開発すれば、60カ月分の人件費だけで莫大な金額になるため、拠点の違いが収益性に直結するとしています。
低コストが挑戦的な企画を可能にする
開発費を抑えられれば、パブリッシャーは販売本数が限られる作品にも投資しやすくなります。Willits氏は2024年にも、500万本売れなければ損益分岐点に届かないAAAタイトルが存在すると指摘していました。Saberは、巨大市場向けの作品だけでなく、比較的規模の小さいニッチなジャンルや、特定のファン層に支持されるゲームにも取り組みやすい体制を取っているようです。
同氏は今回の取材で、北米の大作には「モニターからドルがこぼれ落ちているように見える」ものがあると発言しました。そのうえで、本作の開発費は、数カ月前に北米の大手スタジオから発売された大作の約3分の1だったと説明しています。さらに、本作はその大作より1100万本多く売れたとし、「10億ドルを稼ぐために1億ドルを使う必要はない」と、巨額の制作費を前提とするAAA開発を批判しました。
AI活用をめぐる懸念も
一方で、Saberの事業方針にはAIの活用を強く重視する面もあります。パブリッシャーはRideshare StimulatorにAI利用の開示を追加しましたが、その対応は、CEOのMatt Karch氏と、ChatGPTに置き換えられたと主張する元ライターとの公開上の対立と重なる形で進みました。Karch氏は、将来的に「AIのHalf-Life 2」に相当する画期的な作品が登場し、人々のAIに対する見方を変えるとの考えも示しています。
原文筆者は、AIによる効率化よりも、SnowRunnerや本作のようなゲームが人の手で作られ続けることを望むとしています。なお、別の大作シリーズでは、開発責任者がAIよりも「依然として人間を主に使っている」と説明しつつ、AIをどこまで導入するかは各社が自分で判断する必要があるとの見解を示している例も紹介されています。