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『The Blood of Dawnwalker』はThe Witcher 3とは異なる設計のRPG

2026年09月16日 | #レビュー | GamesRadar+

『The Blood of Dawnwalker』はThe Witcher 3とは異なる設計のRPG

発売後にプレイヤーの評価が広がるなか、The Blood of DawnwalkerをThe Witcher 3の後継作のように捉える見方には注意が必要だと、原文筆者が指摘しています。約26時間プレイした原文筆者によれば、両作には開発者やファンタジー世界、会話による物語分岐といった共通点がある一方、戦闘、ゲーム進行、作品全体のトーンは大きく異なります。特に、The Witcher 3に似たプレイ体験を期待していると、本作の方向性に失望する可能性があるとのことです。

共通点はあるものの、出発点から別の作品

本作をめぐる議論では、発表された2025年1月以降、CD Projekt RedのThe Witcher 3との比較が繰り返されてきました。開発を手がけるRebel WolvesにはThe Witcher 3の開発経験者が参加しており、中世を思わせるハイファンタジー世界を舞台に、プレイヤーの選択が物語を変えるという共通点もあります。主人公のコエンとゲラルトが、危険な世界を旅しながら会話や行動によって状況を変えていく点は、両作を比較したくなる理由になっています。

ゲームディレクター自身も、The Witcher 3との比較については「とても心地よく受け止めている」と話しているとされています。ただし、両作を最後まで遊んだ原文筆者は、実際のゲームシステムと作品の雰囲気は別物だと分析しています。The Witcher 3の開発者が関わっているという事実は、あくまで本作の背景を説明する手がかりであり、同じ遊び心地を保証するものではありません。

原文筆者が例として挙げているのが、The Witcher 3の追加コンテンツに関連するデモです。ゲラルトは、田園風景の広がる町を裸足で走り、親友のリュートを取り戻すために男を殴り、昨夜の服装のまま屋敷へ向かうといった、軽妙で自覚的な展開を見せます。物語に危機があっても、世界にはおとぎ話や喜劇のような温かさが残されています。任務中にゲラルトが薬物の影響で酔い、馬と会話する場面も、そのトーンを象徴する要素として紹介されています。

一方で、本作の物語は黒死病を思わせる悪夢のような場面から始まり、主人公コエンに穏やかな時間がほとんど訪れません。原文筆者は、コエンがゲラルトのような軽口や英雄的な余裕を見せる人物ではなく、より重苦しい状況に置かれた主人公だと説明しています。同じファンタジー作品でも、明るさと悲劇を混ぜ合わせるThe Witcher 3に対し、本作は最初から最後まで厳しい空気が続く作品として描かれているとのことです。

戦闘と時間制限が生む独自のプレイ感

戦闘面でも、The Witcher 3を期待すると違いが目立ちます。ゲラルトは人間と怪物に対応する鋼の剣と銀の剣を使い分け、追加コンテンツでは鎖につないだ銀のフックによる遠距離攻撃も登場する予定です。これは2027年に予定されている拡張でクロスボウに代わる装備とされ、原作小説を意識しながら、経験豊富な戦士であるゲラルトの戦い方にさらなる幅を持たせるものと説明されています。

対してコエンは、魔術や吸血鬼の能力を使わない状態では近接攻撃が中心です。攻撃を受け流す方向を見極めるブロックや、反応速度を求められる回避が重要になり、戦場を転がり回りながらボタンを連打するだけでは勝ちにくい設計になっています。原文筆者は、この操作感を新鮮な挑戦と評価する一方、The Witcher 3のような戦闘を求めるプレイヤーは大きく戸惑うだろうとしています。

本作を特徴づけるもう1つの要素が、コエンに課される時間制限です。コエンの物語には30日間の期限があり、プレイヤーは吸血鬼の領主ブレンシスに対抗しながら、限られた時間でオープンワールドの出来事に対応する必要があります。ただし、原文筆者は実際に遊んでみた結果、この期限は当初考えていたほど厳しいものではなかったと述べています。自由に世界を探索する余地は残されており、カウントダウンがあるからといって、常に急かされるわけではないとのことです。

プレイヤーの行動には、布告によるペナルティーも発生します。オープンワールドで時間を使ったり、特定の行動を選んだりすると圧力が高まり、吸血鬼の勢力との戦いに影響します。ゲラルトにはこのような期限や行動への直接的な罰がないため、2人の主人公は物語だけでなく、世界との向き合い方そのものが異なります。原文筆者は、両作を同じ基準で比べることが、プレイヤーの期待を必要以上に高めていると考えています。

オープンワールドの規模にも違い

本作の舞台であるヴェイル・サンゴラについて、ゲラルトが旅した大陸と比べてどれほど広く、どれほど多くの出来事があるのかを尋ねるプレイヤーもいるとされています。しかし原文筆者は、コエンの世界は文字どおりの国土全体を再現したものではなく、The Witcher 3ほどの敵や任務の種類も備えていないと説明しています。

The Witcher 3には、原作小説と過去2作のゲームによって積み重ねられた世界設定や登場人物がありました。一方、本作は将来的なシリーズ化も想定される新規IPの第1作です。原文筆者は、両作のコンテンツ量に差があるのは当然であり、同じ規模や密度を期待するべきではなかったとしています。初めて作られた世界が、長年続いてきたシリーズと同じ厚みを持つとは限らないためです。

The Witcher 3との比較は、情報が少なかった本作をプレイヤーに紹介するための分かりやすい入口でもありました。Rebel Wolvesの開発者が過去作に関わっていたこともあり、既存の人気作を基準にすることで、作品の雰囲気や方向性を伝えやすかったのは確かです。しかし、実際に本作が発売され、プレイヤーが触れられるようになった今も同じ比較を続ければ、共通点より相違点が目立ち、現実とは異なる期待を生むことになります。

原文筆者は、The Witcher 3との比較をやめ、コエンをゲラルトとは別の主人公として評価すべきだと主張しています。完成度や規模が異なる作品を優劣で並べるのではなく、30日間の期限、布告による圧力、近接戦闘中心の操作、吸血鬼をめぐる重苦しい物語を本作独自の要素として見るべきだという考えです。今後、本作の物語が現代の時間軸へ近づいたときには、比較対象がCyberpunk 2077へ移るのかもしれないとも原文筆者は述べていますが、少なくとも現時点では、ゲラルトの影ではなくコエン自身に注目する段階に来ているとしています。