← 最新記事一覧

『Marvel's Wolverine』中東版でミスティークの同性婚描写が一部検閲か

2026年09月21日 | #その他 | Eurogamer

『Marvel's Wolverine』中東版でミスティークの同性婚描写が一部検閲か

『Marvel's Wolverine』の中東向けバージョンで、ミスティークとタイガーの同性婚や関係性を示す描写が検閲されている可能性が浮上しました。結婚式の写真や手紙が読めない状態に加工されているほか、会話中の「妻」にあたる言葉が無音化・伏せ字化される場面も報告されています。関係そのものが削除されたわけではないとみられますが、物語上重要な要素だけに、地域による内容差が注目されています。

写真や手紙、字幕の言葉まで加工

RedditやSNSに投稿されたスクリーンショットによると、あるバージョンではミスティークとタイガーが結婚式の日に撮影した額入り写真がぼかされ、拾うことはできても画像の内容が完全に空白になっています。2人の間で交わされた手紙も同様に全体がぼかされ、文章を読めない状態になっているとのことです。

さらに別の投稿では、ミスティークの関係性について語る場面で「wife(妻)」という言葉が出るたびに音声が途切れ、字幕では該当部分がアスタリスクに置き換えられています。投稿者はこれらの画像や映像を中東版から取得したと説明していますが、投稿内容だけで実際の地域や製品版を直接確認できる証拠が示されているわけではありません。Kotakuもこの件を報じています。

関係性は削除されず、物語の重要要素に

本作では、ミスティークとタイガーの関係がゲーム内の脚本やアセットから完全に取り除かれたわけではないようです。報告された加工は、関係性に触れる台詞や関連する画像などを個別に隠す形になっています。原文筆者によれば、検閲されていないバージョンでは、2人の結婚がミスティークの物語における中心的な要素であり、ウルヴァリンとの友情がどのようなものかを理解するうえでも重要だとされています。

こうした音声の消去や字幕の置き換えは、中東地域で公開される映画やテレビ番組でも使われてきた手法です。宗教に関わる表現、「God(神)」という言葉、同性関係などが問題になる場合、場面全体を削除する代わりに、該当する言葉だけを無音化したり字幕から除外したりすることがあります。原文筆者は、Amazon Prime VideoのThe Boys最終シーズンでも、ホームランダーの神格化やイエス・キリストへの言及に関連して、同様の処理が目立った例として挙げています。

ソニー作品で過去にも地域別の修正

ソニーとInsomniac Gamesの作品が、一部地域向けに修正されたとされるのは今回が初めてではありません。過去作でも、プライドフラッグや同性カップルが登場するサイドミッションなど、LGBTQ+に関する要素が削除されたとの報告があります。サウジアラビアのメディア規制機関は、その作品について「発売元のスタジオが要請された修正を承認した後に分類した」と説明しましたが、具体的にどの部分を変更したのかは明らかにしていません。

今回の件については、ソニーがコメントを求められています。なお、別企業の話題ではあるものの、サウジアラビアの政府系ファンドによるEA買収をめぐっては、同社の作品方針が変わるのではないかという懸念も社内外で出ています。EAはこれまで同性ロマンスやLGBTQ+のキャラクターを扱っており、とりわけThe Simsシリーズは同性関係を認める姿勢からLGBTQ+コミュニティーの支持を集めてきました。今回の検閲報告は、地域の規制がゲーム内の物語表現にどこまで影響しうるのかを改めて浮き彫りにしています。