『ゼルダの伝説 時のオカリナ』リメイクで、ALS患者のブレイクさんが初クリアを目指す
2026年10月06日 | #ゲーム紹介 | GamesRadar+
2026年11月5日にNintendo Switch 2で発売予定の『ゼルダの伝説 時のオカリナ』リメイク。ALSを患うブレイクさんは、この作品を人生で初めてクリアするゲームにしようとしています。かつて遊びきれなかった名作に、あらためて挑戦する理由を語りました。
思い出のゲームを、初めてクリアする作品に
ブレイクさんは9月21日、Nintendo SwitchとSwitch 2の掲示板に「自分はもう長くない。新しい『時のオカリナ』を、人生で初めて最後までクリアするゲームにしたい」と投稿しました。多くの人が励ましの言葉を寄せ、ゲームを買うと申し出た人もいたといいます。「会ったこともない人たちが応援して、ゲームまで買おうとしてくれたのは驚きでした。心のこもったコメントに感謝しています。笑顔になれますし、きっと忘れません」と振り返ります。
ブレイクさんは38歳で、筋肉の動きを損なう希少なALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断され、余命は12カ月と告げられました。父親もALSと診断され、診断から6カ月後に亡くなったそうです。ブレイクさんは脊髄への注射治療を受け、診断から5年近くが経った今もメールでやりとりできる状態ですが、最近は「残された時間が少なくなってきました。あと1年ほどだと思います」と投稿しています。
娘と過ごす時間、ゲームで気持ちを切り替える
1980年代後半、Apple IIでPrince of Persiaを遊んだのがゲームとの出会いでした。その後、N64でGoldenEye 007やNFL Blitzなどの対戦ゲームに夢中になりました。『時のオカリナ』は親友が絶賛していたため、レンタル店で借りて遊んだものの、当時は夢中になれず、途中でやめたといいます。
2000年代にはMMOのDark Age of Camelotに出会い、その後の数年間で1万1000時間を費やしました。そこで知り合った友人とは今も交流が続いています。近年はDestinyを9000時間プレイしたそうです。
現在はソフトウェアアーキテクトとして働き、車いすの部品にも役立てているという3Dプリントにも取り組んでいます。ALSの影響で反射神経が衰え、以前よく遊んでいたシューティングゲームやバトルロイヤルなどの対戦ゲームを続けるのが難しくなったため、近年は1人で遊べる作品を選ぶようになりました。いずれは視線入力装置を使い、iPadでゲームをすることになると話しています。
お気に入りの作品には、ギリシャ神話を題材にしたアクションローグライクのHades、プラットフォームゲームのCeleste、メトロイドヴァニアのOri and the Blind Forest、ホラーと釣りを組み合わせたDredge、死後の世界を描く穏やかな経営ゲームSpiritfarerがあります。Spiritfarerは「今の状況もあって、少し感情が揺さぶられます」と語り、好きな作品について「落ち着いて遊べて、物語も素晴らしい」と投稿しました。
ブレイクさんはこれまで、ゲームを最後までクリアしたことがありませんでした。長く遊んできたのはサービス型のゲームやMMO、シューティングゲーム、バトルロイヤルが中心で、子どもの頃に遊んだ1人用ゲームもクリアしきれなかったそうです。「ゲームを1本クリアすることは、やりたいことの1つでした。『時のオカリナ』をもう一度遊びたいと思っていたところにリメイクが発表されて、すべてがぴったり重なりました。初めて、そしておそらく最後にクリアするゲームになると思います」と話します。
「後悔を残さないようにしてほしい」
ブレイクさんは、妻と数年前に提供精子による子どもを授かりました。ALSの遺伝リスクを避けるためだったといいます。ゲームは現実から気持ちを切り替える手段であり、幼い娘と一緒に過ごす時間でもあります。娘には予備のコントローラーを持たせ、ゲームを一緒に遊んでいるように楽しんでもらうそうです。「画面を見て目を輝かせたり、笑ったりする姿を見て、2人だけで過ごす時間を大切にしています。娘と過ごせる時間も限られているとわかっているので、こうした思い出は何より大事です」と語りました。
読者に伝えたいことを尋ねられると、ブレイクさんはこう答えています。「ありきたりな言葉ですが、人生は短いです。後悔を残さないように、できる限りのことをしてください。いつ、簡単には取り戻せなくなるかわかりません。診断後、部屋に閉じこもって病気にのみ込まれる道もありましたが、家族と一緒に思い出を作りたかった。治療を始め、人の助けが必要だと受け入れました。もう何でも自分だけでできるわけではありません」
父親は診断を受けたあと、一時的に怒りをあらわにし、亡くなる前にそれを大きな後悔の1つだと話していたそうです。その経験から、ブレイクさんは怒りに支配されないと決めました。「妻とは病気のことを冗談にすることもあります。こんなときでも笑ったり、幸せを感じたりできなければ、生き続ける理由がなくなってしまいます」と語っています。