『バイオハザード RE:3』Switch 2版は携帯モードでこそ光と影の魅力が際立ちます
『バイオハザード RE:3』のSwitch 2版は、滑らかな動作と携帯モードでの美しい映像が魅力の移植です。緊迫したアクションを安定したフレームレートで楽しめるうえ、HDRによる光と影の表現がラクーンシティの不気味さを引き立てます。ただし、ドックに接続するとHDRが使えなくなり、映像の魅力が大きく損なわれます。高く評価できるのは、携帯モードでの体験です。
映画のような演出で描くジルの逃走劇
1999年のバイオハザード3 LAST ESCAPEは、当初、ナンバリング作品ではなく外伝として企画されていました。2020年に登場した本作は、新たな開発チームがジルの物語の描き方を見直す機会となりました。そのリメイクが、今ではSwitch 2でも遊べます。
舞台は初代バイオハザードの事件から数か月後で、バイオハザード2とほぼ同じ時期です。S.T.A.R.S.隊員のジル・バレンタインは、洋館での異常な出来事を生き延びたものの、その恐怖から抜け出せずにいます。T-ウイルスに感染し、自分も倒してきた怪物たちのようになってしまうのではないかという不安に苦しんでいるのです。
ところが、ラクーンシティを離れる数日前、街はゾンビであふれかえります。ジルは襲いかかる死者たちから逃れるだけでなく、執拗に追ってくる怪物ネメシスにも立ち向かわなければなりません。
本作は1999年版よりもアクション色が強く、映画のような演出を重視しています。ネメシスとの最初の遭遇では、建物の出口を探す場面から、車のエンジンをかけてネメシスに突っ込む場面まで、緊張感のある展開が続きます。こうした場面を堪能するには、動作の引っかかりや遅延がないことが重要です。Switch 2版は、その要求に応えています。
激しい場面でも動作は安定
今回のプレイでは、炎に包まれた場所でも、複数の敵が同時に画面に現れる場面でも、フレームレートの低下は見られませんでした。激しい展開でも滑らかに動き、ジルとネメシスの追いつ追われつの物語に集中できます。
カメラの反応も良好です。ただし、スティックで狙う際の扱いづらさはあり、Joy-Con 2の感度ではヘッドショットを外すことが多くありました。照準を合わせているときのカメラ速度を下げる調整が必要でした。
携帯モードとドック接続で大きく変わる映像
安定した動作はうれしいものの、この移植には大きな注意点があります。本作の魅力をよりよく味わえるのは携帯モードです。
本作は映像の美しさにも力を入れています。HDRによる明暗の対比がラクーンシティの街並みに息を吹き込み、息苦しい雰囲気を生み出します。しかし、Switch 2版ではドックに接続すると、このHDR設定が使えなくなります。
携帯モードで暗い部屋や路地を歩くと、照明を受けたキャラクターモデルの滑らかな見え方が印象的です。PS5版やPC版と比べると多少粗さはあるものの、本体の画面はラクーンシティの美しさを十分に伝えてくれます。光と影が織りなす雰囲気には、探索を続けたくなる魅力があります。
一方、ドックに接続してHDRが無効になると、その魅力は一気に薄れます。HDRなしでもプレイはできますが、違いは明白です。画面全体に不透明な灰色の膜がかかったようになり、街の色彩や生気が失われてしまいます。
Switch 2は、カプコンがこのリメイクで目指した体験を届けるだけの性能を備えています。ジルとネメシスの逃走劇を安定した動作で楽しめる、相性のよい移植です。ただし、その評価が存分に当てはまるのは、光と影の魅力が保たれる携帯モードに限られます。