『Final Fantasy Resonance』レビュー、Vision制度と魅力的な仲間が光る約40時間のRPG
2026年10月20日 | #レビュー | Game Informer
スクウェア・エニックスがサービス終了したモバイルゲームを再構築して本格的なRPGに仕立て直す流れは、昨年の『Octopath Traveler 0』に続き、『Final Fantasy Resonance』でも成果を上げています。海外メディアGame Informerのレビューは、本作を魅力的な仲間とキャラクター育成の自由度を備えた優れたRPGと評価しています。特にFinal Fantasy Vのジョブシステムが好きなプレイヤーには、たまらない作りだとのことです。一方で、世界の広がりには物足りなさも指摘されています。
モバイル版を超えたHD-2Dの見せ方
『Resonance』は、2016年から2025年まで全4章が配信されたモバイル向けゲーム『Final Fantasy Brave Exvius』の第1シーズンが土台です。ただし単なる移植ではなく、もともと評価の高かったドットキャラクターにHD-2D表現が加えられています。
レビューでは、スクウェア・エニックスが過去の批判に耳を傾け、それが功を奏したと述べられています。細部まで描き込まれたキャラクターのスプライトや、時折登場する圧巻のドット表現の「シネマ」シーンによって、『Octopath Traveler』シリーズやDragon QuestのHD-2Dリメイク作品とは違った印象を与えるそうです。
過去作の引用にとどまらないVisionシステム
少年とその親友を描く物語は、一見すると過去のFinal Fantasyシリーズへの言及を並べるための土台に思えるかもしれません。確かに、他のFinal Fantasy作品のキャラクターを投影した「Vision」を戦闘に呼び出すことが、ゲームの重要な要素です。しかしVisionはあくまで投影であり、Final Fantasy Vのジョブのように、ほかのキャラクターにも使えるスキルを教えてくれます。Final Fantasy VIの幻獣のように、レベルアップで永続的な能力上昇ももたらします。さらに条件を満たすと召喚でき、CGによる演出つきの強力な攻撃を放ちます。この演出には、スクウェア・エニックスが昔から映像演出の名手であることを思い出させる力があるとのことです。
各キャラクターはVisionを1体装備でき、戦闘でその力を借りられるほか、パッシブ強化やスキルも得られます。例えば、火属性の攻撃を持つ強力なアタッカーのRainは、Cecil Harveyを背負うように装備すると、光と闇の魔法も使えるようになります。Cecilは共に戦うほど強くなり、好きなように装備できるスキルも授けてくれます。Final Fantasy Vのジョブを突き詰めるのが好きなプレイヤーなら、居場所を見つけたように感じるだろうと評されています。
Rainの物語と、息の合った仲間たち
過去作へのオマージュは多いものの、本作はあくまでRainの物語だと、レビューは強調しています。Rainには、Cloudを思わせる金髪のツンツン頭、Tidusのような父親との確執、Zidaneのような明るさ(わずかな陰りつき)など、歴代の主人公たちの要素が混ざっています。しかし、それがかえって応援しやすさにつながっているそうです。
RainのルームメイトであるLasswellには、筆者が愛するFinal Fantasy IVのKain Highwindを思わせる部分がありつつも、彼ならではの悩ましい気高さがあると述べられています。仲間たちは徐々に加わり、質の高いボイス演技で届けられるコミカルな会話もあって、互いに(そして筆者にも)ぴたりと馴染んでいきます。過去作への言及は巧みに控えめな形で盛り込まれており、Final Fantasy XIVのファンである筆者は、思わず舞い上がるようなネタに何度も出会ったそうです。
見やすいターン制バトルと、軽快なテンポ
戦闘は、Final Fantasy Xのように次に行動するキャラクターが分かる、古典的なターン制です。キャラクターごとに戦い方と属性の個性があり、Lasswellは氷を好む侍、Jakeは風の力を宿したガンナー、Lidは土属性の攻撃で巨大な鋼のチョコボを降らせます。
本作でもっとも歓迎したい特徴は、軽快なテンポだと筆者は述べています。ファストトラベルは使いやすく、ダンジョンも程よい時間で攻略できます。プレイ時間はおよそ40時間で、現代のRPGとしては気軽に遊べる長さです。
世界の作り込みには物足りなさも
その反面、Rainの世界には深みが足りないとも指摘されています。街は美しく個性的で、話しかける価値のある住人やクエスト依頼者も揃っています。しかしフィールドの道中は薄く、ダンジョンには華やかさが欠けるそうです。
ランダムエンカウントの煩わしさについては、オートバトルがあれば和らぐだろうとされています。ただ、エンカウントの頻度は昔のFinal Fantasyほど高くありません。戦闘の間隔も、Visionを最大まで育てる場合を除けばレベル上げが不要になるよう配分されており、その点を筆者は評価しています。それでも、単に目的地へ向かいたいときには煩わしく感じることがあるそうです。
過去作を土台に、新たな世界を築いた一作
筆者は、歴代キャラクターへの敬意を目当てに楽しめると思って遊び始めたものの、最終的には新しい世界観を見せてくれた点が気に入ったと語っています。本流のFinal Fantasyが模索を続けている今、『Final Fantasy Resonance』は薦めやすい作品だとのことです。シリーズの歴史という確かな土台に片足を置きつつ、豊かなグラフィックと好感の持てる仲間たちによって、過去を借りるだけでなく、その上に新しいものを積み上げた作品だと結論づけています。