『Mass Effect 5』元開発者が、BioWareはLarianやCD Projektの成功を見て「次のレベル」を目指していたと語る
『Mass Effect 5』の開発に携わっていた元開発者が、BioWareはLarianとCD ProjektのRPGの成果を見たうえで、シリーズを「次のレベル」に引き上げようとしていたと明かしました。EAが次のMass Effectの開発中止とBioWareの閉鎖を発表した直後に出た発言で、幻に終わった作品の方向性を知る手がかりとして注目されています。
元開発者が語った『Mass Effect 5』の目指す姿
BioWareを解雇されたシネマティックスーパーバイザーのTony de Waal氏は、LinkedInで『Mass Effect 5』は「特別なもの」になっていたはずだと投稿しました。同氏によると、このゲームは「他のどのゲームも実現できていない水準の自由度と選択」をプレイヤーに提供する内容だったとのことです。
また同氏は「LarianとCD Projektが最新作で打ち出しているものを見て、三部作に忠実であり続けながら、Mass Effectを次のレベルへ引き上げる道を歩み始めた」と述べています。さらに「何を作っていたのか見せられないのが悲しい。実力以上の力を発揮して特別なものを作ろうとしていた、少数の才能ある開発者たちのことも悲しく思う」と語りました。最後まで残ったスタッフについても「これまで一緒に働いた中でも特に優れた人たちだ」として、思いを寄せてほしいと呼びかけています。
閉鎖の発表と、ほかの関係者の反応
EAは10月22日に、次のMass Effectの開発中止とBioWareの閉鎖を発表しました。開発終了の時点で、約50人がこのゲームに取り組んでいたと報じられています。
発表後には、ほかの関係者からも作品の内容をほのめかす投稿がありました。ニューヨーク・タイムズのベストセラー作家であるCatherynne M. Valente氏は、X(旧Twitter)で「史上最高のゲームの続編の作り方を見つけられないゲーム業界は、根本的に壊れている」という趣旨のユーザーの投稿に反応しました。同氏は「私たちは答えを見つけていた。素晴らしいゲームを作っていた。言っておきたいだけです」と返信しています。
背景にあるBioWareの苦戦とライバルの躍進
IGNの記事では、LarianとCD Projektがこの10年ほどでRPGにおいて大きな成功を収めた一方、BioWareは期待に届かない作品が続いたと整理しています。『Dragon Age: Inquisition』がシリーズ最高の売上を記録した後、BioWareはライブサービス型の『Anthem』に挑戦しました。その後は、開発が難航した『Dragon Age: The Veilguard』に10年近くを費やしましたが、どちらも振るわなかったとされています。Mass Effectシリーズの評価はまちまちで、『Mass Effect Andromeda』はファンの間で期待外れと見られている一方、近年のリマスター版『Mass Effect Legendary Edition』は好評でした。
CD Projektは、一部で史上最高のファンタジーRPGとされる『The Witcher 3』を世に出しました。『Cyberpunk 2077』は発売時こそ散々な状況でしたが、現在では最高のSFのRPGの1つと見られています。さらに、世界で最も期待されている続編を複数控えています。Larianは『Divinity: Original Sin』シリーズで評価と売上を得ていましたが、2023年の『Baldur's Gate 3』で数百万本を売り上げ、RPGへの期待そのものを塗り替えたと紹介されています。
『Mass Effect 5』については、BioWareが5年ほどかけて舞台や物語を小出しにしてきました。Mass Effect 3の数百年後を舞台に、リーパーが倒された後のシリーズ原点の天の川銀河へ物語の中心を戻す内容だと確認されています。
筆者の見方
IGNの筆者は、『Mass Effect 5』がどんな作品になっていたかは判断しにくいとしつつ、元開発者らの発言からは『The Witcher 3』『Cyberpunk 2077』『Baldur's Gate 3』のような作品が意識されていたと見ています。「他のゲームが実現できていない自由度と選択」という言葉は大胆な主張だと述べたうえで、プレイヤーの選択や試行錯誤に応える『Baldur's Gate 3』を意識した発言だろうと推測しています。これは筆者の見解であり、開発側が公式に示した内容ではありません。