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IGNの寄稿者が語る『Mass Effect』シリーズ消失への惜しみ、「再建」を描く『Mass Effect: Universe』は今の時代に必要だったと主張

2026年10月27日 | #その他 | IGN

IGNの寄稿者が語る『Mass Effect』シリーズ消失への惜しみ、「再建」を描く『Mass Effect: Universe』は今の時代に必要だったと主張

IGNに掲載されたCarlos Morales氏の意見記事は、BioWareの閉鎖と『Mass Effect 5』の開発中止を受け、リークされたトレーラーで明らかになった『Mass Effect: Universe』(仮題)が2026年の世の中にふさわしい作品になり得たと論じています。同氏は『Mass Effect』を最も好きなゲームシリーズとし、修士課程の主要な研究論文のテーマにも選んだ人物です。以下は同氏の意見をまとめたものです。

BioWare閉鎖と中止に対する反発

記事によると、ここ1週間、シリーズのファンの間では、BioWareの閉鎖とそれに伴う『Mass Effect 5』の中止をめぐって大きな騒ぎが続いています。『Mass Effect: Universe』は、このままでは完成しない見通しだと記事は述べています。

筆者は、親会社のElectronic Artsが従業員とゲームファンに対して大きな不義理を働いたと厳しく批判しています。開発に携わった人々やファンは多数の意見記事を通じて不満を示し、シリーズを宙ぶらりんの状態から救うための署名は20万件を超えました。カナダの新民主党(NDP)党首のAvi Lewis氏も、カナダ政府が介入してスタジオを救うべきだと発言したといいます。

こうした動きが実を結ぶかどうかは分からないとしたうえで、筆者は今回の反発を、PlayStationのディスク関連の騒動を除けば、近年のゲーム関連の問題の中でも最大級だと感じています。シリーズが最も稼いだ作品群というわけではなくても、人々がMass EffectとBioWareを愛し、新作の中身を見たかったことは反応から明らかだとしています。筆者はスタジオが「プライベート・エクイティの負債の祭壇に捧げられた」と表現し、多くの人から奪って少数が利益を得る構図だと批判しています。

『Mass Effect 3』が先取りしていた不安

筆者は、2012年に発売された『Mass Effect 3』を振り返っています。同作はコマンダー・シェパードの旅の結末への批判が強く、ファンの受け止め方が大きく割れました。批評家のレビューは一様に好意的でしたが、多くのファンが作品の長所を認めるまでには、拡張DLC「Extended Cut」と長い時間が必要だったといいます。筆者自身も結末は好きではないものの、作品の大部分は素晴らしい体験であり、2020年代の文化的な不安を先取りしていた面があると評価しています。

同作では、機械と生命が融合した止めようのない種族「リーパー」が銀河の知的生命をすべて滅ぼそうと襲来し、世界は戦争状態に陥ります。ほぼ全編が絶滅を前にした試練の連続で、希望や安らぎは乏しいと筆者は説明します。リーパーは5万年ごとに銀河文明を滅ぼし、これまで一度も失敗したことがありません。人類が生き残る見込みは小さく、シェパードが勝利したとしても、戦後の銀河がどうなるかは想像しがたいとされます。クローグを苦しめるジェノファージの治療や、ジェスとクォリアンの和平といった成果も、無数の犠牲の前では大海の一滴に感じられると筆者は書いています。

筆者は、この深い宿命論と、未来のない世界で希望にしがみつこうとする姿勢が、2012年当時より今のほうが強く響くと考えています。気候変動、COVID-19、中東での絶え間ない暴力、生成AIの台頭、歯止めのない後期資本主義など、2020年代は世界を揺るがしかねない問題が続いています。生活費の高騰により、世界が崩れる中でも普段どおり働き続けなければならない状況も重なり、多くの人が心に傷を負っているのではないかと述べています。

「終末の後」を描くはずだった『Mass Effect: Universe』

新たに分かった『Mass Effect: Universe』の情報から、筆者は同作を現代の空気に対する「芸術的な解毒剤」になり得たと見ています。舞台はリーパー戦争から600年後で、大規模な破壊から立ち直った銀河が描かれる予定でした。新たな同盟や勢力が生まれ、『Mass Effect 3』ではほぼ絶滅したとされたバタリアンも新時代まで生き延びています。シェパードの主要な仲間だったLiara T'Soniは、およそ千年に及ぶ争いを見届けながら今も戦い続けるアサリの女族長として再登場する予定だったとのことです。

筆者は『Mass Effect: Andromeda』との違いにも触れています。同作は『Mass Effect 3』の壊滅的な出来事を避け、新たな登場人物たちが終末の前に別の銀河へ旅立つ形で物語を続けました。一方、『Mass Effect: Universe』は問題に正面から向き合い、終末の後に再建とは何かを開発陣自身が考え抜こうとしていたといいます。その解決策はごく一部しか見えていないものの、リーパーの後にも前進する道があったと示す作品は、2020年代半ばの苦しい時期にある人々に響いたはずだと筆者は考えています。プレイヤーが意識していたかどうかにかかわらず、この作品は「過酷な現実の中でも耐え抜ける」という希望を与える可能性があったと述べています。

芸術が果たす役割

筆者は、『Mass Effect: Universe』が現代世界の問題を解決するわけではないと認めています。それでも、芸術は日々の体験を振り返り、消化するための出口になると指摘します。最後に、初代『Mass Effect』でリーパーの悪役Sovereignが語る「お前たちの言葉は、お前たちの未来と同じく空虚だ」というセリフを引き合いに出し、これに対する反論となる作品を遊べたらよかったと締めくくっています。