『Physint』の開発継続を小島秀夫氏が説明、Xboxへのパブリッシング移管後もソニーとの関係は良好と強調
2026年09月20日 | #その他 | Eurogamer
ソニーが資金提供から離れ、Xboxがパブリッシングを引き継ぐことになった『Physint』について、小島秀夫氏が経緯を語りました。氏はソニーに対して「悪い感情はない」と述べ、約30年にわたる関係への敬意を示しています。一方、Kojima Productionsは、予算や収益性をめぐる報道には公式情報が含まれていないとして反論し、スタジオと開発は健全な状態にあると説明しました。
ソニーの支援終了を予想していなかった小島氏
IGNのインタビューで小島氏は、ソニーが本作への資金提供を継続できないと伝えた会談について、当時はショックを受けており、具体的なやり取りをほとんど思い出せないとしています。Kojima Productionsの同僚も詳細を記憶していないため、ソニー側が何を話したのか正確には答えられないとのことです。
小島氏は、ゲーム業界でスタジオ閉鎖や人員削減が相次いでいることは理解していたものの、本作については「大丈夫」「安全だ」と考えていたと振り返りました。そのため、ソニーがプロジェクトから離れる決定には心の準備ができておらず、決定を知った直後には「明日から何をすればいいのか」と考えたと語っています。
同氏はソニーとの関係について、約30年間にわたって仕事をしてきたと説明しました。ソニー・コンピュータエンタテインメントの元幹部である久夛良木健氏や平井一夫氏とは親しい関係にあったものの、最近は以前と同じ状況ではなくなっていたとも述べています。さらに、2025年に10周年を迎えた自身のスタジオが、この決定によって崩壊する可能性すら考えたと明かしました。
ただし小島氏は、ソニーに対して敵意や不満を抱いているわけではないと繰り返しています。「ソニーが好きだ。ゲーム業界が厳しい時期にあることも分かっているので、悪い感情はない」と説明し、今回の判断を業界全体の厳しい状況の一部として受け止めているとの姿勢を示しました。
Xboxへの移管は既存の協力関係が後押し
ソニーの支援終了後、小島氏はXboxに相談し、同社が技術面を含めて支援できることを確認したとしています。Kojima ProductionsはXboxと別のプロジェクトODでも協力していたため、両社にはすでに接点がありました。小島氏は本作について正式なプレゼンテーションを行い、Xbox側からは「この提案は素晴らしい。これほどのプレゼンテーションは見たことがない」と評価されたと説明しています。
本作は当初、PlayStation向けの独占タイトルとして発表され、ソニー傘下の映画部門であるコロンビア・ピクチャーズとの大規模な協業も示されていました。その後にパブリッシング担当がXboxへ移ることになったため、ソニーのリソースを失った影響や、複数のプロジェクトを同時に進める難しさが開発上の課題になったと小島氏は話しています。
一方で、Xboxは小島氏とKojima Productionsへの支援を継続する姿勢を明確にしています。Xboxの広報担当者は、同氏のチームが革新的な新規IPによるトリプルAゲームを作る能力を信頼しており、OD、本作、そして拡大する両社の協力関係を支持するとコメントしました。Xboxは東京ゲームショウのステージでも、この2作品を主要タイトルとして扱っています。
Kojima Productionsは報道内容に反論
Kojima Productionsは、Bloombergの記事で報じられたソニーとのパートナーシップ変更の理由について、スタジオとして声明を発表しました。報道では、ソニーが離脱した背景として、予算、将来的な収益性、独占契約に対する懸念があったと伝えられていました。また、Death Strandingシリーズの商業的な成果や、本作の制作計画と投資規模に関する推測も示されていました。
同スタジオは、これらの主張はいずれも公式または記録に残る情報源から出たものではないと指摘しています。通常ならインターネット上の根拠のない推測にはコメントしないものの、今回の報道はPlayStationとの関係、Death Strandingシリーズの業績、制作体制への見方にまで影響し、ファンや協力企業、長年ともに仕事をしてきた関係者にも広がったため、説明する必要があると判断したとのことです。
声明では、今回の状況がスタジオにとって深刻で、重大な影響につながる可能性があったこと自体は認めています。そのうえで、Kojima Productionsは健全で利益を出している状態にあり、本作の開発はXboxとの協力によって前進していると説明しました。さらに、PlayStationとの関係も良好なままだとしています。
小島氏のインタビューとスタジオの声明からは、ソニーからの支援終了が予想外の大きな転機だった一方、開発そのものが止まったわけではないことが分かります。今後はXboxとの新たな体制のもとで制作が続き、Kojima Productionsはソニーとの過去の関係を否定することなく、現在の協力先との開発も進めていく構えです。