『PHYSINT』はゲームエンジン未決定 ソニー離脱後もXboxと開発継続
2026年09月21日 | #その他 | DualShockers
小島秀夫監督の新作スパイアクション『PHYSINT』は、ソニーが開発支援を取りやめ、Xboxとのパブリッシング提携へ移行した後も開発が続いています。一方で、プロジェクトはまだ使用するゲームエンジンを絞り込めておらず、発売時期も明らかになっていません。すでにゲームと物語の初期コンセプトは完成しており、現在は3Dモデルの制作が進められているとのことです。
ソニー離脱後も開発は継続
小島監督はThe Washington Postのインタビューで、開発チームが使用するエンジンをまだ決定していないと明かしました。過去2作のDeath StrandingシリーズではソニーのDecima Engineが使われていましたが、同エンジンがソニー独占になるとの見方が業界やファンの間で広がっていました。ただし、Kojima Productionsが新作でDecima Engineを使用できるのか、あるいは使用できないのかについて、公式な発表はありません。
エンジン選定が未完了であることから、ハリウッド俳優を起用した本作の完成形を確認できるまでには、なお数年を要する可能性があります。現時点で発売時期は設定されておらず、開発の進捗も3Dモデル制作など初期段階の情報にとどまっています。
ソニーが支援を打ち切る判断を小島監督に伝えたのは、2026年6月のZoom会議だったとされています。監督は突然の知らせに衝撃を受け、スタジオの将来やスタッフの行く末を考えたものの、当時は従業員に状況を伝えられなかったとのことです。小島監督は当時の心境について、「怒りや悲しみよりも、どうすればいいのかを考えていた。私たちにとって大きな問題だった」と振り返っています。
その後、Kojima ProductionsはXboxとの提携によって開発を前進させる方針を示しました。2026年9月17日に行われたXbox Tokyo Game Show 2026の配信にも同スタジオがサプライズ登場し、プロジェクトが中断していないことを改めて印象づけています。
ビル・スカルスガルドが主演に決定
同配信では、主演にビル・スカルスガルドを起用することも明らかになりました。小島監督は公式ブログで、以前から互いの仕事のファンだったと説明し、今年前半に実施した衣装合わせ、スキャン、カメラテストを通じて、プロジェクトの方向性に大きな自信を得たとしています。
スカルスガルドは、近年の映画版「IT」に登場するペニーワイズ役や、Robert Eggers監督の2024年作品Nosferatuで知られる俳優です。すでに発表されている出演者には、Furiosa: A Mad Max SagaのCharlee Fraser、Godzilla: Minus Oneの浜辺美波、そしてDon Leeが含まれています。Don Leeは、龍が如くシリーズで知られる名越稔洋氏の新作として発表されたものの、現在は先行きが不透明とされるGang of Dragonにも出演しています。
小島監督は本作を、40年以上にわたるキャリアの集大成であり、アクション・スパイアクションというジャンルを作り変える作品だと位置づけていました。作品の内容から、Metal Gearシリーズの精神的後継作と受け止めるファンも多いものの、具体的なゲームシステムやストーリーの詳細はまだ公開されていません。
ソニーが支援を終了した理由
ソニーの判断をめぐっては、Bloombergが2026年9月11日に、複数の要因が影響した可能性を報じています。報道では、締め切りの未達、高額な制作費、独占販売に関する懸念、将来の売上見通しへの不安などが理由として挙げられました。ただし、これらは公式発表によって確認された情報ではありません。
Kojima Productionsは報道後、記事に記された主張はいずれも公式または実名で確認された情報源によるものではないとして、慎重に受け止めるよう呼びかけました。そのうえで、状況が深刻だったことは認めながらも、スタジオは健全で利益を上げており、Xboxとの協力による開発は前進していると説明しています。さらに、PlayStationとの関係も良好な状態にあるとしています。
ソニーからXboxへと提携先が変わったことで、本作の対応プラットフォームや販売形態がどのようになるかは、現段階では判明していません。少なくとも、今回の発表だけで発売が近いと判断できる状況ではなく、エンジンの決定や制作の進展を含め、今後の続報が待たれます。
Xboxとの別プロジェクトも進行
Kojima ProductionsとXboxが関わる作品は本作だけではありません。ホラー作品ODの制作も順調に進んでいるとされています。同作は、Silent Hillsのキャンセル以来となる小島監督の本格的なホラー作品で、オスカー受賞監督のジョーダン・ピール氏とのパートナーシップによって制作されています。
Silent Hillsではギレルモ・デル・トロ氏が関わっていましたが、ODではピール氏との協業が実現しています。2つのXbox関連プロジェクトが同時に進む一方、PHYSINTは主演俳優が決まった段階にあるものの、ゲームエンジンや発売時期は未定です。提携先の変更を乗り越えた本作が、どのような制作体制と技術基盤で完成へ向かうのかが、今後の大きな焦点となります。