The Witcherの新音声ドラマ版が2026年から展開へ フルキャストでゲラルトの物語を再構成
アンドレイ・サプコフスキ氏の小説シリーズThe Witcherが、1人のナレーターではなく複数の俳優が演じるフルキャスト音声ドラマとして展開されます。第1弾は、18歳のゲラルトを描く前日譚小説Crossroads of Ravensで、オリジナル音楽や効果音も組み合わせた新たな形式で物語を届けます。出版社は今後2年にわたり、サプコフスキ氏のシリーズを順次音声化する計画です。
若きゲラルトを描くCrossroads of Ravens
第1弾となるCrossroads of Ravensは、サプコフスキ氏が手がけた最新のThe Witcher小説です。主人公は後に怪物退治の専門家として知られるゲラルトですが、本作で描かれるのは18歳の頃の姿であり、シリーズ本編より前の時代を舞台にしています。記事では、この作品の音声版がすでにリリースされていると伝えています。
今回の制作では、従来型のオーディオブックのように1人のナレーターが全編を読むのではなく、登場人物ごとに複数の俳優を起用しています。若きゲラルト役はSam Stafford、Preston Holt役はRichard Armitage、Nenneke役はClare Corbett、Artamon of Asguth役はTom Alexanderが担当します。ナレーターとしてPeter Kennyも参加しており、複数の演者による芝居を軸に作品世界を表現します。
さらに、オリジナル音楽とサウンドデザインを加えることで、台詞を読むだけではなく、音響演出を通じてサプコフスキ氏の世界を再構成する形式になっています。映像作品とは異なる一方で、声優の演技、音楽、効果音を組み合わせて物語への没入感を高める点が、今回の企画の大きな特徴です。
2026年後半からシリーズ本編も音声化
Crossroads of Ravensに続き、The Last WishとSword of Destinyが2026年11月に予定されています。出版社はそこで展開を止めず、サプコフスキ氏による残りのThe Witcher作品も2027年を通じて順次リリースする計画です。現時点では各作品の詳しい配役や配信時期までは示されていませんが、シリーズ全体をフルキャスト形式へ広げていく方針が明らかにされています。
この形式は、近年のオーディオブック市場で存在感を増しています。Alien、Sandman、Assassin's Creedなどでも複数の俳優を起用した音声作品が制作されており、GraphicAudioはフルキャスト、ナレーション、効果音、オリジナル音楽を組み合わせる手法を「頭の中の映画」と表現しています。Fourth Wingのドラマ化作品も、こうした制作方式の例として挙げられています。
Amazonも、Hugh Laurie、Michelle Gomez、Keira Knightley、Bill Nighy、Kit Haringtonらが参加するHarry Potterシリーズのフルキャスト版で同様の展開を進めています。1人の朗読者による統一された語りとは異なり、場面ごとの演技や人物同士の掛け合いを前面に出せることから、人気シリーズの新しい楽しみ方として広がっているようです。
ゲームや映像作品とは異なる新たな解釈
The Witcherは、すでに世界的に成功したゲームやテレビシリーズをはじめ、アニメーション映画、コミックなど複数の媒体で展開されています。今回の音声ドラマ版は、それらとは別の俳優陣と演出によってゲラルトの冒険を描く企画です。同じ原作世界を扱いながら、映像やゲームではなく、声の演技と音響だけで場面や人物を想像させる点に違いがあります。
原作小説にはゲーム版や映像版とは異なる物語や描写があるため、既存のファンにとっては、サプコフスキ氏の文章を新しい演技で聞き直せる機会になります。特にCrossroads of Ravensは若きゲラルトが中心で、すでに広く知られている完成後の人物像とは異なる時期を扱います。フルキャスト形式によって、ゲラルトだけでなく、彼と関わる人物たちの存在感も音声で描かれることになります。
今後も続くThe Witcher関連企画
The Witcherをめぐっては、音声ドラマ以外にも複数の企画が進行しています。CD Projekt RedのThe Witcher 3: Remasteredは9月29日の発売予定とされ、サプライズ発表された拡張コンテンツSongs of the Pastは翌年の展開が計画されています。The Witcher 4は2028年を目標としており、ゲームの主人公はゲラルトからCiriへと引き継がれる予定です。
Netflixの実写シリーズは第5シーズンが最終シーズンとなる見込みで、現在は2027年の展開が予想されています。また、サプコフスキ氏は次のThe Witcher小説にもすでに着手しており、2027年の完成を目標にしていると確認しています。IGNのインタビューでは、短編小説をさらに執筆する可能性にも触れており、Crossroads of Ravens以降のゲラルトの成長期についても、まだ掘り下げる余地があると示唆しています。
こうした状況のなかで始まるフルキャスト音声ドラマは、ゲーム、映像、コミックに続くThe Witcherの新たな表現手段となります。まずはCrossroads of Ravensから始まり、2026年11月のThe Last WishとSword of Destinyを経て、2027年に残る作品へ広がっていく予定です。