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『ウィッチャー3』リマスター版の幽霊譚クエスト「A Towerful of Mice」は、10年遅れで出会っても忘れがたい恐怖と悲劇を描く

2026年10月31日 | #ゲーム紹介 | GamesRadar+

『ウィッチャー3』リマスター版の幽霊譚クエスト「A Towerful of Mice」は、10年遅れで出会っても忘れがたい恐怖と悲劇を描く

『ウィッチャー3』のリマスター版で、筆者が改めてプレイしたクエスト「A Towerful of Mice」を紹介します。ヴェレンを舞台にしたゴシックホラー調の物語で、呪われた塔、怯える村人、そして愛を貫く姿が描かれます。結末を含むネタバレがあるため、未プレイの方はご注意ください。

ヴェレンで最初期に遭遇する幽霊譚

「A Towerful of Mice」は、ヴェレンで進むキーラ・メッツの物語の一部として登場します。推奨レベルは6で、『ウィッチャー3』でも早い段階で遊べる幽霊譚の1つです。呪われた塔や怯える住民といった要素がそろい、じめじめとしたヴェレンの空気に合った古典的なゴシックホラーに仕上がっています。

筆者はこのクエストを一度クリアしていますが、覚えていたのは船でそこへ向かう場面だけでした。ほかの内容は忘れていたそうです。

発端は、迷信深い村人たちが、身を隠している魔術師キーラに、Fyke Isleにかけられた呪いを解いてほしいと頼んだことです。キーラはゲラルトに協力を求めます。魔女狩りの兵が各地を捜索するなか、村人たちの機嫌を損ねないようにするためでもあります。

霧に包まれた島と塔の恐怖

霧に覆われたFyke Isleへは、細い川を船で進みます。両岸には暗い森が続き、夜の闇のなかで目立つのは、ゲラルトの白い束ね髪と、木々の間をかすめるように動く溺死人の淡い姿だけです。

塔の地下では、檻に入れられた大量のネズミを前に、幽霊となった村人たちが戸惑っています。2階分きしむ階段を上った先では、貴族の娘が父に村人への手助けを訴えています。どこからか聞こえた声が、階下に怒れる群衆が押し寄せていると告げると、幽霊たちの姿は消えます。現在の場面には、貴族が座っていた椅子の下に残された骸骨があります。

島には重苦しい恐怖が漂い、筆者は床板のきしみや走り回るネズミに何度もびくりとしたそうです。塔を上るにつれ、見えない何かに引き寄せられているような感覚にもなったといいます。

この点で本クエストは、『ウィッチャー』らしさよりも、古典的な幽霊譚の「The Turn of the Screw」や「The Haunting of Hill House」に近いと筆者は述べています。CD Projekt Redが短い時間でプレイヤーを物語に引き込む力を示した例だというのが筆者の見方です。『ウィッチャー3』や『サイバーパンク2077』のクエストは、つらい決断を迫ります。その決断が重く響くのは、プレイヤーがすぐに登場人物へ感情移入させられているからだとしています。

暴力の裏に隠れた悲しい真相

『ウィッチャー3』の多くのクエストと同じように、このクエストでも暴力の裏には悲しみが隠れています。塔の最上部にある隠し研究室で、貴族の娘Anabelleの幽霊がゲラルトの前に姿を現します。

Anabelleによると、群衆に殺されるのを避けるため、毒に見せかけた麻痺薬を飲んだそうです。群衆は去りましたが、ずっとあとに目を覚ましたとき、彼女の体はまだ麻痺したままで、生きたままネズミに食われていきました。恋人のGrahamは群衆の一員でしたが、実際には止めようとしていました。それでもAnabelleは、彼に見捨てられたと思いながら死んだといいます。彼女は、遺骨をGrahamのもとへ運んで埋葬させれば呪いは解けると語ります。

話の筋は通っていますが、筆者はどこか引っかかるものを感じました。クエストの展開は覚えていなくても、『ウィッチャー3』を160時間遊んだ経験から、自分の直感を信じたそうです。そこで筆者はこの頼みを断ります。するとAnabelleは、代わりにGrahamをここへ連れてきて、許しを求めさせてほしいと言い出します。Grahamが応じるなら筋は通るため、筆者は川を渡って戻り、小さな漁村で彼を見つけます。あの夜の出来事で心に傷を負っていたGrahamは、Anabelleを安らかに眠らせたいと協力を申し出て、ゲラルトとともにFyke Isleへ向かいます。

呪いが解ける代償

研究室に戻ると、Anabelleは本当の姿を現します。顎がなく、皮膚がくぼみ、触手のような舌を持つ「Plague Maiden」です。呪いを解くには、GrahamがまだAnabelleを愛していると示すために、彼女にキスをしなければなりません。

クエストの間、ゲラルトの職業的な落ち着きは筆者にとって心強いものでした。しかしカットシーンでカメラがGrahamを追う場面では、その安心感も役に立たなかったといいます。月明かりに照らされた首筋が闇のなかで無防備に見え、AnabelleへGrahamが近づいていく様子は、熊用の罠に指が近づいていくようだったそうです。

物語はゴシックらしい締めくくりを迎え、真実の愛が勝ちます。ただし、手放しの勝利ではありません。ほんの一瞬、Anabelleは若い女性の姿に戻りますが、すぐに消え、Grahamは床に倒れて死んでいます。呪いは解け、クエストは完了しますが、祝うような雰囲気はありません。Fyke Isleは変わらず耐えがたいほど悲しい場所のままです。それでも筆者は、1時間のあいだ、この物語が確かに現実のものだったと振り返っています。