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Polygon筆者、BioWareの閉鎖を受け『Baldur's Gate 2』が自身の人生に与えた影響を振り返る

2026年10月29日 | #その他 | Polygon

Polygon筆者、BioWareの閉鎖を受け『Baldur's Gate 2』が自身の人生に与えた影響を振り返る

Polygonの筆者が、BioWareの閉鎖という知らせをきっかけに、13歳のときに出会った『Baldur's Gate 2: Shadows of Amn』と、同社が1990年代から2000年代初頭に手がけたRPGが自身の人生をどう形作ったかを振り返っています。ファンタジー世界への愛着、D&Dとの付き合い、そして現在の仕事まで、すべてがこの作品に行き着くといいます。

きっかけはマクドナルドで見たTシャツ

2000年、ミレニアムバグ騒ぎが落ち着いたころのことです。当時13歳だった筆者は、友人たちとマクドナルドにいました。友人の1人が着ていたTシャツのロゴは、筆者の目にはネイティブアメリカンの戦士の羽根飾りのように見えたそうです。尋ねると、「ゲームだよ。知らないの?」という答えが返ってきました。

それが『Baldur's Gate 2: Shadows of Amn』でした。Tシャツはコレクターズエディションに付属していたもので、光と闇を表す2つの向かい合った顔がロゴになっています。この図柄の意味については26年間議論が続いていますが、決定的な答えは出ていないとのことです。筆者はその後ゲームを購入し、BioWareがデジタルで描き出したフォーゴトン・レルムの世界に初めて没入しました。

ファンタジーとD&D、そして執筆へ

筆者がファンタジーに初めて触れたのは、バス停で『指輪物語』を読む女性を見かけたときでした。イタリア人アーティストのDanilo Silvaが手がけた表紙に目を奪われたものの、当時はまだトールキンを理解するには幼すぎたといいます。その後、新聞売り場で偶然『Magic: The Gathering』のパックを買い、今も財布を悩ませる趣味になりました。ただ、こうした偶然だけでは、現在のようにMagicの大会や指輪物語の「エルロンドの会議」の場面について書いて生計を立てる道には進まなかっただろう、と筆者は述べています。

筆者は、その道を決定づけたのが『Baldur's Gate 2』だと語ります。高校に入学したばかりで、少年の心がさまざまな方向に引っ張られる時期でした。BioWareは優れた前作に続いて素晴らしい続編を出し、筆者はファンタジー世界、D&D、RPGを生涯愛するようになりました。振り返れば、文章を書くことへの情熱も、このゲームに由来するかもしれないとしています。

初めてプレイしたとき、筆者はD&Dについて何も知りませんでした。本作はTTRPGの第2版のルールを、リアルタイムで進行しつつ一時停止もできる戦闘システムに落とし込んでいます。第2版は最も複雑な版とされることも多く、そのルールを理解していく過程は、舞台であるフェイルーンの各地を探索するのと同じくらい難しく、面白かったそうです。

その後D&Dは版を重ねましたが、筆者はフォーゴトン・レルムで遊ぶことをやめていません。始めた動機は、『Baldur's Gate 2』で得た感覚を現実世界で再現し、友人と共有したいというものでした。26年後の今も毎週D&Dのゲームを運営し、週に1回、ときには毎日D&Dについて記事を書いています。フォーゴトン・レルムの生みの親であるEd Greenwoodを含め、D&Dを形作ってきた人々にインタビューする機会も得たといいます。

D&Dゲームの流れを変えた作品

こうした流れの出発点には、BioWareがパブリッシャーのInterplayに『Battleground: Infinity』を持ち込んだことがあります。これは新しいコンセプトのコンピューターRPGのデモで、のちに『Baldur's Gate』になりました。当時のコンピューターRPGは『Diablo』『The Elder Scrolls』『Fallout』などで復興期を迎えていましたが、D&Dを題材にしたゲームはあまり振るいませんでした。InterplayはStrategic Simulationsからライセンスを取得したばかりでした。同社は『Pool of Radiance』『Eye of the Beholder』『Ravenloft: Strahd's Possession』などの名作で知られます。しかし時代は変わっており、ブロック状のグラフィックと硬い操作性の一人称視点ゲームは、D&Dファンにはもう合わなくなっていたと筆者は説明しています。

『Baldur's Gate 2』は、Michael Hoenigによる力強いサウンドトラックで幕を開けます。Hoenigは前作の音楽も担当した人物です。不穏なオープニングムービーでJon Irenicusの不気味な視線に耐えたあと、メインメニューに到達すると壮大なオーケストラの旋律が流れます。キャラクターの理想的な能力値を出そうと何時間もその曲を聴き続けることになりますが、ゲームは音楽が約束するとおりの体験を提供してくれると筆者は評価しています。

筆者によれば、BioWareはD&Dゲームに技術面での刷新をもたらしただけではありません。ジャンルではほとんど前例のない、物語を最優先にするという姿勢も打ち出しました。同スタジオは文章の質を土台にキャリアと評価を築き、それが同社の看板になることが明確になったのが本作でした。前作はファンタジー冒険としてはかなり一本道のストーリーでしたが、続編はずっと大胆になっています。ソードコーストを救った英雄で、神の力を宿す存在である主人公は、牢に閉じ込められ、力を奪われた状態で始まります。狂気の魔術師が実験を行い、主人公と仲間たちを苦しめます。David Warnerが声を当てたJon Irenicusは、冒頭から圧倒的な悪役として描かれ、ゲームはその力と企みに追いつくことが目的になります。

動きと静けさのバランスと、街アスカトラ

筆者は、本作が動と静のバランスを取っていると見ています。明確な目的が与えられる一方で、各地域をじっくり探索する理由も十分に用意されているというわけです。

最初の舞台は都市アスカトラで、筆者はRPGに登場する巨大なファンタジー都市の中でも屈指の出来だとしています。禁断の魔法や財宝、掘り起こされるのを待つストーリーが詰まった陰謀の巣窟です。一方で、主人公はIrenicusを追いつつ、Cowled Wizardsに捕らわれた友人Imoenを助け出さなければなりません。そこでゲームが示す主要クエストは単純で、地元の盗賊ギルドのために1万ゴールドを集めれば、Imoenの救出とIrenicusの追跡への道が開かれるというものです。この大金を集める作業が、街を探索し住人と関わり、サイドクエストや新たな仲間を見つける口実になっています。筆者はこれを、今もD&Dのキャンペーンに生かしているナラティブデザインの教訓だと述べています。

BioWareの初期RPGが残したもの

筆者は、『Baldur's Gate 2』を称賛する言葉は26年間語られ続けており、改めて名作である理由を説明する必要はないとしています。ただ、BioWareの閉鎖を知り、このゲームが自身をどれだけ変えたかを考えずにはいられなかったそうです。

BioWareはその後、D&Dに戻って『Neverwinter Nights』とその拡張を出しました。筆者は、これらが『Baldur's Gate』1作目と2作目ほどの物語の高みには届かなかったと見ています。それでも3Dグラフィックと第3版ルールへの更新により、高校時代の数百時間を費やしたといいます。この作品は、情熱が自力で燃え続けられるようになるまで火を絶やさない役割を果たしました。一方で、何かが足りないとも感じていました。『Neverwinter Nights』は優れたD&Dゲームではあっても、優れた物語のゲームではなかったという評価です。

『Baldur's Gate 2』はその点で唯一無二で、同じ魔法には二度と出会えなかったと筆者は述べています。BioWareは『Dragon Age』や『Mass Effect』のほとんどの作品で記憶に残る物語を届けましたが、筆者はこれらをあまり遊んでいません。ビデオゲームのRPG体験をD&Dと結びつけて考えていたためで、その見方は何年も後に『The Elder Scrolls 5: Skyrim』によって再び変わったそうです。

それでも、1本のゲームで十分でした。筆者はファンタジー世界と壮大な冒険譚への愛を、書籍、コミック、TTRPG、ビデオゲーム、映画、アニメ、自らの執筆と、あらゆる形で育ててきました。この愛は人生の激変の中でも変わらず、国を移るたびに友人を作る助けとなり、現在の仕事に就く際にも大きな役割を果たしたといいます。ファンタジー小説家として成功する夢がかなえば、いつかこの仕事を辞めるかもしれないとも書いており、その夢もBioWareの初期RPGの影響に遡れるとしています。

筆者は最後に、BioWareと、James Ohlen、Kevin Martens、Brent Knowlesをはじめとする『Baldur's Gate 2』のチームに感謝を述べています。彼らは閉鎖時点のBioWareにはいなかったと承知したうえで、彼らが作ったゲームが同社の遺産を築き、多くの人生を形作ったと記し、26年たった今も素晴らしい作品だと結んでいます。